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「ラ王って生麺じゃなかった?」日清に取材→様々な誤解&真相が次々と判明

文=Business Journal編集部
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日清ラ王(公式サイトより)

 日清食品の人気シリーズのラーメン「日清ラ王」。ネット上で、「ラ王って昔は生麺だったよな」とのつぶやきから、「今違うんか」「あれで他と差別化できとったのにな」など驚きや残念がる声が続出。一方で「昔の方がうまかったけど生麺で賞味期限が短いのと、一度湯切りしないと麺が臭かったから止めたんだろうな」と、生ならではの難点を指摘し、方向転換に理解を示す向きもある。なぜ売りだったはずの「生」をやめたのか。日清食品に話を聞いた。

 日本発祥で今や世界中に広く普及しているカップラーメン。日本即席食品工業協会のデータによると、2023年度にカップラーメンは国内で37億7437万食もつくられ、日本人一人あたり年間47.2食も食べている計算だという。全国で発表されたJAS規格(日本農林規格)のカップ麺製品は1275銘柄にも及ぶ。まさに国民食ともいえるほど深く日本人の生活に染みついた食品のひとつといえる。

 そんなカップラーメンの生みの親は安藤百福、日清食品の創業者である。日清食品といえば、カップラーメンを含む即席麵の業界でシェア1位を誇り、「カップヌードル」「日清どん兵衛」「日清焼そばU.F.O.」など、さまざまなカップ麺の人気商品を発売している。そのなかで1992年に発売された「日清ラ王」はやや特殊な存在だ。食べた人たちの感想が「本物のラーメンに近い」「外で食べるラーメンと変わらない」など、ほかの即席麵と一線を画す。

 だが、ラ王は発売当時と現在で、麺が大きく異なる。かつては、作り立てを真空パックしたようなレトルトパウチのソフトタイプ麺で、他ブランドの即席麵が揚げて乾燥させたタイプの麺ばかりだったなか、革命的なカップ麺として一世を風靡した。それが現在はノンフライタイプの乾麺に代わっており、一部の購入客から疑問が投げられているのだ。ネット上に、「ラ王って昔は生麺だったよな」との書き込みがなされると、「今違うんか」と驚く声や、「あれで他と差別化できとったのにな」と麺が変わったことを残念がる声が続いた。

なぜ生タイプの麺はなくなったのか

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かつて販売されていた生タイプ麺の日清ラ王

 一方で、「昔の方がうまかったけど生麺で賞味期限が短いのと、一度湯切りしないと麺が臭かったから止めたんだろうな」と、かつての麺の難点を指摘する向きもある。ちなみに、当初のスタイルのラ王は、2010年8月に生産が中止された。この経緯などについて、日清食品の広報部に話を聞いた。

「まず、ネット上の書き込みに『生麺』とありますが、従来の『日清ラ王』に採用していたのは『生タイプ麺』です。生タイプのカップ麺として1992年に誕生した『日清ラ王』は、当時としては高い価格設定であったにもかかわらず、発売翌年に約1億4000万食を販売するなど大ヒットを記録しました。

 しかし、生タイプ麺は、調理時に一度湯きりをする手間があるなど、簡便さの点で弱点がありました。また、当時、ノンフライ麺市場が技術の向上につれ拡大し、次々に発売される新商品との社内競合により販売数量は年々減少し続けました。

 そこで弊社は、“生タイプ麺”より“生麺”に近い『次世代ノンフライ麺』を開発。麺の太さはもちろん、表面の舌ざわりや中心の弾力感、そして中華麺独得の風味など、“生麺”ならではの特徴をノンフライ麺で実現しました。

 さらに、飽きのこないコク深い“新王道スープ”に、食事としてのこだわりを追求した“ボリューム具材”、存在感あふれる新形状の八角形容器と、『麺』以外にも徹底的にこだわり、ラーメン専門店にも負けないクオリティの新しい『日清ラ王』が誕生しました」

 では、生麺、もしくはかつてのような生タイプ麺のカップ麺を発売する計画などはないのかと尋ねると、「現在のところ、そのような予定や計画はございません」との回答だった。

 生タイプの麺はネット上の書き込みにもあったが、湯切りをするなどの手間があったことから、より簡便な現在のタイプになった。だが、かつて以上に“生麺”に近い麺へと進化していたのだ。インスタントラーメンの元祖としての矜持を感じる限りである。

(文=Business Journal編集部)

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