「文春」(13年8月8日号)が実施したアンケート「好きなテレビ局はどこですか」では、1位:NHK、2位:テレビ東京、3位:テレビ朝日、4位:フジテレビ、5位:日本テレビ、6位:TBSとの結果が出た。また、新聞通信調査会による「メディアに関する全国世論調査」によると、「NHKは信頼できるメディアだ」と回答した人の割合は全年齢層で70%以上となっている。
筆者が行った任意の街頭調査では、「NHKが好き」と回答した人が、その理由として「大河や朝ドラ、自然や教育番組などで質の高い番組を提供している」「ニュースはやはりNHK。信頼して見ている」といった意見を述べている。
こうして見ると、「NHKが好き、信頼できる」とのデータ結果が多く存在している一方、「NHKが嫌い、信頼できない」という意見も根強い。
その理由として、例えば一部ネット上では次のような意見が見られる。
「視聴料の強制的な取り立て(放送法の是非含む)が不満だ」
「不明瞭な支出問題に対して誠実な公表をせず不透明のまま」
「偏向報道がある(特に歴史問題)」
「上層部の関連会社への天下り問題や不祥事多発などがあり、信頼ができない」
「公共放送であるNHK職員の平均給与額が1000万円を超えているのは行き過ぎだ」
「法人税免除・余剰利益の国庫収納義務なしといった既得権益が疑問だ」
●国会議員からも批判の声
一般視聴者以外にも、NHKへの批判は国会議員からも上がっている。日本維新の会の三宅博議員は昨年の衆議院総務委員会において、NHKの問題点として下記を指摘・追及している。
「海上保安庁の職員数が1万2636人で、人件費や船舶の建造費を含めた全予算が1732億円(平成24年度)に対し、NHKの職員数は1万354人で、人件費だけで1819億円かけている」
「NHK職員は過去5年間、2カ月に1度不祥事を起こしている」
「NHKは尖閣諸島を空から撮影した映像を中国のCCTVに提供しようとした。自衛隊から慰留の申し出があったにもかかわらず、無視してスパイ行為に加担した」
そして三宅議員は最後に「このように腐敗堕落した組織は1度解体するべき」と糾弾した。
今後、国民のNHKへの信頼を維持するためには、今回の文春記事にあるような「不祥事続きのNHK」というイメージを払拭する努力をしなければいけないのではないか。既得権益にどっぷり浸かったその組織体質と、不祥事が続く職員たちのモラルハザードに厳しい目を向けるべきとも思われる。また“公共放送”という重要な存在であることから、国民全体で、NHKが信頼に足る組織であるための方策を真剣に議論する時期に来ているのではないだろうか。
(文=成田男/フリーライター)