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大口出資先も、脱ルネサス化を加速?
加えて懸念されるのが、顧客の調達方針の変化だ。東日本大震災後、部品の供給網が寸断されたことで、自動車メーカーを中心に複数から部品を調達する動きが増えている。特にルネサスの主要顧客であった自動車メーカーは、ルネサスの一極集中状態にあった。すでにホンダの系列部品メーカーが、マイコン世界2位の米・フリースケール・セミコンダクターへの発注を決めるなど、業界の地殻変動は起きている。日立製作所の自動車部品を手がける日立オートモティブシステムズの大沼邦彦社長も、「1社からだけでは危ないので、拠点の二重化を図っている最中」とルネサスの比率を下げていく方針を示している。
リストラ計画自体が楽観的な見方に過ぎない上、虎の子の主力事業は採算性が悪化し、シェア低下も避けられない。負の遺産に悩まされるルネサスが、泥沼から脱出する道は依然見えない。
(文=江田晃一/経済ジャーナリスト)
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