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ファミレス化する回転寿司業界、なぜ各社サイドメニュー強化?原材料高騰、職人不足

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ファミレス化する回転寿司業界、なぜ各社サイドメニュー強化?原材料高騰、職人不足の画像1「Thinkstock」より
 回転寿司「スシロー」を運営する業界最大手のあきんどスシローは、3月12日に「春の商品発表会」を開催し、今後の商品戦略を発表した。

 一皿100円(税別)均一を特徴としていたスシローは、昨年「180円寿司」を発売し、高価格商品への推移が市場に受け入れられるか注目を集めたが、現在のところ順調に売り上げを伸ばしているという。しかし、従来からの100円寿司についてもラインナップを強化する方針で、この春には週替わりで新商品を順次投入する。

 さらに今年は、消費者の嗜好の多様化に合わせて、サイドメニューの充実化を図る。同店初のラーメンとして「スシローのラーメン出汁入り鶏がら醤油味」(280円/税別)など、寿司以外の食事もできるようにし、加えて「苺ミルフィーユパフェ」(230円/同)を投入するなど、スイーツにも力を入れていくという。

 最近の回転寿司業界では、このような流れはほかにもある。

 業界第2位の「かっぱ寿司」(カッパ・クリエイトホールディングス)などでも、フライドポテトやたこ焼き、うどんなどをメニューに取り入れており、同じく業界3位の「無添くら寿司」(くらコーポレーション)に至っては、今春売り出した「イベリコ豚丼」(400円/同)や「イベリコとんこつラーメン」(360円/同)がヒットの兆しを見せるなど、サイドメニューの豊富さから「もはや寿司屋ではなく、“寿司が食べられるファミリーレストラン”だ」との声も少なくない。13年3月決算では、カッパ・クリエイトが売上高前年比で+1.6%、くらコーポレーションが+6.0%と、いずれも若干の増加を記録している。

頭打ち傾向の回転寿司業界

 昨年度の回転寿司業界は、業界全体で3301億円の市場規模で、経常利益計は101億円、売上高純利益率は+0.5%となっており、現状はプラス成長を保っている。しかし、09年以降は伸び率が急激に鈍化しており、頭打ちの感は否めない。激しい出店競争や、水産資源の国際的争奪戦の影響による魚介類調達コスト高騰、客足の伸び悩みなどにより、成長に陰りが生じてきているのだ。

 こうした状況を、大手回転寿司チェーンの関係者は、次のように分析している。

「100円系の回転寿司は限界に来ていると感じます。原価の高騰や円安による輸入費用の増加で利益率が低下している上に、ここ数年はお客が回転しているレーンの寿司を食べなくなってきています。直接板前に対してオーダーすることが多く、職人が足りなくなっています。ロボットがシャリ玉をつくり、その上にネタを乗せて握ったふりをしている寿司は、消費者に避けられる傾向にあります。数が減っている職人を雇うためには、高い人件費が必要となるため、簡単には人数を増やせません」

 サイドメニュー開発に各社が力を入れている背景には、新規客層の開拓や話題性を狙う以外に、職人ではなくてもつくれるメニューを増やし、人件費を抑えつつ客単価を上げたいという狙いがあるようだ。

 そうした中、昨年11月にカッパ・クリエイトと業界5位の元気寿司が、14年度中の経営統合を前提にした業務提携契約締結を発表し、話題となった。業界全体が伸び悩む傾向にある回転寿司は、各社経営の見直しや他社と経営統合を模索するなどの動きも活発化しており、業界再編が進む兆しを見せている。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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