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●中小企業が学べること
今回のCMが話題になったことを広告費に換算すれば、約1~2億円程度にはなるだろう。つまり、クオリティをそこそこにして放送枠を多く確保した場合よりも、はるかに効率の良い結果となったのだ。
それだけではない。東山堂の音楽教室への問い合わせ数、入会者数ともに前年比200〜300%になった。CM内では、「新教室オープン」「音楽教室入会募集中」というような直接的な訴求をしていない。それでもマーケティングコミュニケーション(広告・PR)としての成功だけでなく、事業(経営)としての成功にもきちんと寄与したかたちだ。
今、消費者は自分に必要な情報以外は無視する時代だ。特に広告は無視される筆頭格だ。その一方で、消費者の心が動いた情報は、消費者が自らが入手しにいき、拡散する傾向にある。面白かったり感動した情報、美味しい店の情報、企業の対応への怒りなど、心が動いた情報は広まりやすい。今回の東山堂のCMは、まさに「感動」という消費者の心が動く要素を提供した。
筆者も、地方の企業や中小企業のマーケティングコンサルティングを手がけることが多いが、今回の東山堂の事例は、そうした企業が成功するためのわかりやすい例だ。「人の心を動かすコンテンツを妥協せずにつくる」。メディアに費用をかけるより、コンテンツに費用をかければ、ネットが手助けとなって情報は広まる可能性がある。
このCMは、消費者に感動を与えただけでなく、中小企業や地方企業にとって大きな可能性を見せてくれたという点においても、素晴らしいといえるものだろう。
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