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日本電産、“変わり続ける”経営で最高益 果敢な構造改革と連邦経営脱却で「1兆円」視野

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●「連邦経営」から「グループ一体化経営」に転換

 同社の実態は、子会社229社と関連会社5社から成る「中小企業連合体」といっても過言ではない。実際、これまでは子会社・関連会社の独立経営を尊重する「連邦経営」を行ってきた。ところが昨年から、この経営基本方針を修正、同社は「グループ一体化経営」に舵を切った。M&Aの繰り返しで子会社が増え過ぎた結果、連邦経営では統制が利かなくなってきたとの見方もあるが、同社関係者は「そういうことではない。グループの全体最適化を実現するのが目的だ」と、次のように説明する。

 例えば、日本電産本体と日本電産サーボは、ほぼ同じような製品を開発・製造してきた。しかも親子間であるにもかかわらず、客先で競合までしている。こんな大きな無駄を解決するためには、製品の棲み分けを明確化する必要がある。また、グループ内で生産調整ができれば、減産などで人員余剰になった場合も、その社員たちに人手不足の会社へ移籍してもらえば人員整理を防げる。

 要は従来の連邦経営は個別最適の経営体制だったが、これがグローバル市場化の進展で限界にきた。これからはグループ全体で生産の効率化や無駄の解決を図る全体最適の経営体制が重要であり、そのためのグループ一体化経営だという。同社はグループ一体化経営に向け、昨年から子会社の「製品別グループ再編」も進めている。

 創業から40年。悲願の売上高10兆円達成に向け、同社はこれからも環境に合わせて迅速に変わり続けてゆくようだ。
(文=福井晋/フリーライター)

BusinessJournal編集部

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