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2023.05.03 23:26
2014.05.30 00:10
高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏(5月29日)
渋谷マルキューとセシル、20年目の試練を乗り越えられるか?商品力と販売力復活のカギ
●「原点」はどこか?
ビジネスの現場では、よく「悩んだ時は原点に立ち返れ」といわれる。だが、この言葉には落とし穴も潜む。「原点はどこか」を精査して行動しないと、道を誤ってしまう恐れがあるからだ。
木村氏は「セシルブランドが立ち返る原点=ギャルではありません。ブレイクして20年近く、もはや渋谷の街にギャルはいなくなりましたから」と語り、「店に来店されるお客様一人ひとりを見ること。その一方でマーケット全体の変化やトレンドを見ること」の2点を見るべきポイントとして挙げる。
セシルマクビーがここまで成長した理由には、お客に近い年代の女性店員に徹底して任せる姿勢もあった。店内を見ると、茶髪に派手なメークで接客するスタッフが目立つ。それもそのはず、彼女たちのほとんどは、もともとセシルの常連客だった。元顧客経験を踏まえて、心に届くような着こなし提案をする。
流行のトレンド、着心地のよさ、価格と価値のバランス、一定の品質という「商品力」に加えた、この「販売力」がセシルブランドの人気を支えてきた。
ブランド人気が始まって20年近くたち、今後は「ギャル卒業生」向けも含めた中年女性への訴求も欠かせない。これまでにコストパフォーマンスを重視する主婦層をカジュアル服で取り込んできたが、今後は外資系ファストブランドとのさらなる戦いが待っている。
セシルマクビーの販売スタッフは、「見た目は派手だけど中身は真面目」という人が多い。自社ブランドをきれいに着こなすため、ヒール高の“厚底シューズ”で働く人もいる。
来店客と真摯に向き合い、商品構成と接客手法に、さらに厚みを持たせることができれば、マルキュー系の逆襲も成し遂げられるはずだ。
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