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坂本社長は日本体育大学から米テキサス・インスツルメンツの日本法人に就職するという、異色の経歴の持ち主だ。半導体の知識がないため倉庫係としてスタートした。徹夜もヘッチャラというタフな働きぶりが認められ、副社長にまで上り詰めた。その後、神戸製鋼所半導体本部長や日本ファウンドリー社長を経て、02年にエルピーダメモリ社長に就任。不振の半導体事業を立て直す「再生請負人」として、メディアに引っ張りだことなった。
たしかにモーレツ経営者だが、その経営力に首をかしげる向きも多い。「パソコン用DRAMの価格は急落したが、同業他社はスマートフォン向けで十分収益を挙げている。スマートフォン向け製品の生産ライン増強に多額の投資を行う他社と比較し、こうした動きに後塵を拝した戦略ミスが、倒産の最大の原因。取引銀行も、坂本社長が実効ある再建計画を打ち出せなかった、と不信を口にしている」(業界関係者・A氏)という。
A氏によれば、2月末に343億円あった現預金残高は、原材料の調達などで8月末には22億円まで急減する見通しという。しかし、銀行を欺いたため、このままでは追加融資は期待できない。坂本氏が社長の座に固執する限り、エルピーダの再生はないだろう。
(文=編集部)
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