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パナソニック復活のカギ「脱エレキ」、なぜソニーはできない?広がる平井社長退任論

文=編集部
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パナソニック復活のカギ「脱エレキ」、なぜソニーはできない?広がる平井社長退任論の画像1ソニー本社(「Wikipedia」より/Shuichi Aizawa)
 2014年3月期決算で3年ぶりに黒字化を達成したパナソニックは、4月1日付で人事を刷新、津賀(一宏社長)体制が本格的にスタートを切った。

 津賀氏が社長に就任したのは12年6月だが、日本企業では新社長が人事権を掌握するのには時間がかかる。前社長や役員OBがさまざまな注文をつけるためだが、今回は津賀氏が社長になって初めての“自前”人事となり、取締役と執行役員の計8人が退任した。その一方で、独立採算でそれぞれビジネスを行う4つの社内カンパニー(社内分社)の社長は、代表権を与えられ、専務となった。

「企業向け事業(B to B)へ注力する」と宣言したパナソニックは、白物家電(アプライアンス社)、AV(音響・映像)製品(AVCネットワークス社)、住宅設備(エコソリューションズ社)、自動車・電子部品(オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社)の4つの社内カンパニーと「その他」の5つに再編した。

 社内カンパニー社長人事には、取締役からの二段階昇進や、執行役員から大抜擢したケースもあり、構造改革を急ぐ津賀氏のトップとしての強い意志を印象付けた。社内カンパニー社長の権限を強めて、巨大組織を円滑に運営できる体制に一気に変えた。

 また、AVCネットワークス社に置いていたテレビ、オーディオ、ブルーレイ・ディスク(BD)レコーダーの各事業を、アプライアンス社に移管し、アプライアンス社は白物家電とAV機器を含めた消費者向けの製品を担当する組織となった。旧体制を一新し、津賀カラーが前面に出た人事・組織改正である。これで津賀氏は完全に人事権を掌握したことになる。組織上もテレビを主力事業から外したことになる。

 今回の人事で、もう一つ注目されるのは、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社長としてB to Bビジネスの拡大に力を発揮した専務の山田喜彦氏が、海外戦略担当の副社長に昇格し、インドのデリーに常駐となったことだ。山田氏はインドで自動車や住宅など法人向けビジネスの新規開拓を率先垂範する。インド市場の15年度の売上高を、現在の約3倍にあたる3000億円にするのが当面の目標だ。

 津賀氏はパナソニックが創業100周年を迎える19年3月期に、車載事業と住宅事業でそれぞれ2兆円の売り上げを達成するという中期目標を掲げている。海外市場で目標達成の重要な任務を担うのが、山田氏なのである。山田氏はインドのほか中東やアジアなど、新興国の事業に全責任を持つ。津賀氏はB to B事業に完全に経営の舵を切った。

●脱エレキ、なぜパナソニックにできて、ソニーにできない?

 構造改革を加速させるパナソニックに対し、14年3月期決算で3度にわたる下方修正の末、純利益1283億円の赤字を計上し、さらなるリストラを発表するなど業績回復の兆しが見えないソニーは、一般消費者向け事業(B to C)事業重視の姿勢を崩さない。このソニーの姿勢に対しては、「これまでB to C事業で価格競争に巻き込まれ消耗戦を強いられてきたソニーが同事業重視の姿勢を崩さないのであれば、先行きは暗い」(業界関係者)との声も聞こえる。

BusinessJournal編集部

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