6月といえばジューンブライドである。そもそもジューンブライドは、「6月の花嫁は幸せになれる」という欧米の言い伝えがもとになっているといわれる。
しかし、欧米の言い伝えが日本でも広まるのはちょっと不自然な感じがしないだろうか。日本では6月は梅雨の季節である。この季節に結婚式を挙げるカップルは少ないのが現状である。日本におけるジューンブライドの発祥は、6月に結婚式が少なくなり売り上げが減少することを回避するため、ホテルの支配人が宣伝のために欧米の言い伝えを利用した、というのが有力な説である。それはちょうど「婚約指輪は給料の3カ月分」を広めたダイヤモンドメーカーと同じように、企業戦略から生まれた結婚の常識の一つなのだ。
日本一の結婚式場案内のクチコミ情報サイト「ウエディングパーク」を運営する株式会社ウエディングパークによれば、4月、10月、11月が結婚式のボリュームゾーンだそうだ。参加者を考えて、気候が比較的安定し過ごしやすい春と秋が選ばれる傾向が強いのだ。
ここで筆者は「結婚式と景気は連動するのか」という疑問を持った。恋愛は景気に左右されることが判明しているが、結婚式も景気に影響を受けるものなのだろうか。
内閣府は6月9日、1~3月期の国内総生産(GDP)改定値を発表した。実質GDP(季節調整値)は年率換算で6.7%増という高い伸びとなった。これはいわゆる消費増税前の駆け込み需要に起因するものであり、4~6月期のGDPは反動で大幅なマイナス成長となるのが確実とみられている。市場では4%超の減少を予想する声も多い。
ここで、インターネット調査会社マクロミル社が定点観測している「MACROMILL WEEKLY INDEX」のデータから、「使ったお金」をみてほしい。消費税増税前の3月最終週には、1週間に個人が消費した金額が前年比で4600円も多い1万9800円だった。増税後の4月第二週では前年比で1500円ダウンしている。個人消費では明らかに増税の影響があったことがわかる。