話題のMOOCって何？誰でもいつでも世界一流大学の授業を受講　上位教育機関へ集中加速

　ビジネスパーソンとしてもMOOCによるMBA科目の講義を活用しない手はないだろう。いや、これからは意欲ある世界のビジネスパーソンは米国一流校のMBAと同じ内容の講義を視聴していることが前提となるのだから、同じレベルの知識を持たないとグローバルな場においてバカにされかねない。紋切型の講義に研修費用を払っているよりは、英語とビジネスの基礎が同時に学べるMOOCによるMBA科目の講義を積極的に活用すべきではないだろうか。それによって浮いた研修費用を、さらにインタラクティブで、アートとしても上質な内容の研修につぎ込むことができるのだから。

　ちなみにMOOC上にあるビジネス科目の講義は、英語の教材としても一流だといえる。日本にある英語学校で接する英語教師は豊富なビジネスの経験を持つ人が少なく、MOOC上の講義ほどに上質なビジネス英語に接することができる機会は、日本にいるとなかなかあるものではない。さらに、英語が苦手なビジネスパーソンにとってMOOCが何よりありがたいのは、理解できるまで繰り返し何度でも聞くことができる点だろう。

　唯一の問題は、受講生の動機づけだろうか。英語が上質である分、今までまったくビジネス英語に接してこなかった人には、いささか敷居が高いかもしれない。しかし、近い将来MOOCの受講を支援するようなサービスが必ず出現すると思うし、筆者自身もMOOCの活用に挑戦しようという企業や個人を支援したいと思っている。
（文＝今枝昌宏／エミネントLLC代表パートナー）