ビジネスジャーナル > 企業ニュース > ハイボール、爆発的ヒットのCM戦略
NEW
鷹野義昭 「ここが肝だよ! テレビCM戦略」 第8回

ハイボール、爆発ヒットを呼んだ巧妙CM戦略?女性や家庭に需要拡大、居酒屋と協力関係

文=鷹野義昭/CM戦略アナリスト・マーケティングディレクター
ハイボール、爆発ヒットを呼んだ巧妙CM戦略?女性や家庭に需要拡大、居酒屋と協力関係の画像1「サントリーウイスキー」

 20年以上にわたり1000本を超すテレビCMを中心にマーケティング戦略立案に携わってきた鷹野義昭氏が、新たに年間2万本以上オンエアされるといわれるCMについて、狙いやポイントはどこにあるのかなど、プロの視点からわかりやすく解説する。

 今ではすっかり定着した「ハイボール」ですが、皆さん、10年前には知っていましたか?

 サントリーホールディングスが女優の小雪さんを起用して2008年に始まった「角ハイボール」のテレビCMキャンペーンは今年で7年目となります。

 筆者の世代からすると、ウイスキーといえばバブル期の「ちょっと気取った飲み物」の印象があります。そういえば、製造期間がとても長いウイスキーをバブルの頃に仕込みすぎて余っていないかと危惧していた頃、このキャンペーンが立ち上がったような気がします。

 では、この一連のCM、7年間でメインの女優は何人替わったでしょうか?

 答えは、3人です。思いのほか人数が多いと感じませんか? 初代ハイボールマドンナは気品のある小雪さん。次に明るくてかわいらしい菅野美穂さん。そして今年2月からは、上品かつ親しみもある井川遥さんへとバトンが渡ってきました。

 女優が替わっても、私たちを飽きさせることなくハイボールのCMは続いています。これらのCMは、たとえテレビを「ながら見」していても、「ハイボールのCMだ」と、即座にわかるものばかりです。ほかのCMとは、どこが違うのでしょうか?

●タレント依存でない、独特な世界観のCMづくり

 CMスタートから3年目、初代ハイボールマドンナとして定着してきた小雪さんの妊娠が明らかになりました。言うまでもなく、妊娠・出産時にアルコールは禁忌。マドンナの交代を余儀なくされます。

鷹野義昭

鷹野義昭

株式会社テムズ代表取締役<CM戦略アナリスト・マーケティングディレクター>
1963年、長野県生まれ。大手広告代理店を経て、90年より現職。テレビCMを中心としたマーケティング戦略立案に携わり25年以上。1000素材を超すテレビCMの戦略策定・分析・広告効果測定の実績を持つ。
主な著書に『CM好感度NO.1だけどモノが売れない謎 ‐明日からテレビCMがもっと面白くなるマーケティング入門‐』(ビジネス社)などがある。近年では、秀逸なローカルCM・地方PR」動画を集めたサイト「ぐろ~かるCM研究所」の所長を務める。

ハイボール、爆発ヒットを呼んだ巧妙CM戦略?女性や家庭に需要拡大、居酒屋と協力関係のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!