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一方その種のビジネスを手がける米国の企業は、その市場の中でしっかりと基盤を築き、経験を積んでいる。そしてこれは何も家電や衣料品に限った話ではない。今やBOP市場での成否が、企業や産業界の生き残りを左右するという見方もある中、日本だけが自国内でのシミュレーションを行うことができないまま、市場での競争に立ち向かう羽目になりかねない。
そして日本のビジネスが苦手としているのは、BOPだけではない。
富裕層向けのものも、まだまだ未熟だ。トヨタのレクサスのように、最上位価格帯の製品も徐々に送り出せるようになってきているものの、アメリカでは、いまだに「ブランド品」の多くは欧米諸国の企業の独占に近い。逆に日本車に比べて格段に安い韓国製の中古車、小型車を求める層も、厳然として厚い。
上層向けの市場でも、下層向けの市場でもシェアを広げること。日本企業に早急に求められていることの一つである。
(文=田中秀憲/NYCOARA,Inc.代表)
●田中秀憲(たなか・ひでのり):NYCOARA,Inc.代表
福岡県出身。日本国内で広告代理店勤務の後、99年に渡米独立。04年、リサーチ/マーケティング会社、NYCOARA, Inc.を設立。官庁/行政/調査機関/広告代理店などのクライアントを多く持ち、各種調査や資料分析などを中心に、企画立案まで幅広い業務をこなす傍ら、各メディアにて寄稿記事を連載中。小泉内閣時代には、インターネット上での詐欺行為に関するレポートを政府機関に提出後、内閣審議会用資料として採用され、竹中経済産業大臣発表資料の一部となった。
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