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一方、イトーヨーカ堂事業は、営業収益がセブン事業の約半分で、営業利益は計上しているが収支トントンの状態。加えて、対前年比で44.6%減と急速に収支が悪化している。GMSという業態の構造的なスランプについては、本連載記事『イオンに異変、業績悪化で株価急落 総合スーパー、消費者離れ深刻化で迫る終焉』でも触れたが、イトーヨーカ堂も例外ではない。年を待たずして赤字部門に落ち、セブン&アイ・グループの大きなお荷物になることは必至だ。
上記のセグメント別業績表からイトーヨーカ堂を除いたら、セブン&アイHDの業績はどういう景色となるだろうか。売り上げ約3兆円、営業利益約2400億円の大優良グループが出現する。
セブン&アイHD会長兼CEOで現在の同グループの繁栄を築いた鈴木敏文氏の最後の大仕事は、イトーヨーカ堂の売却ではないか。そして、それにより得られる数千億円あるいは兆円単位となるキャッシュ相当資産を駆使して、セブンのチェーンを世界中に一挙展開することだろう。イトーヨーカ堂は同グループにとっての祖業だからこそ、従業員経営者である鈴木氏でなければできない「最後のご奉公」がそこにある。
(文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役)
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