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内紛続く富士通、派閥外から社長登用 独り負けのキリン、社長交代でビール業界争い激化?

文=編集部
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●キリンホールディングス

 ビール系飲料業界は、キリンHDの独り負けが続く。キリンHDは14年に時価総額でアサヒグループHDに抜かれ、初めて首位の座から陥落した。14年12月期の売上高では、サントリーHDに抜かれて2位に転落している。

 この経営責任を取るかたちで、トップが交代する。3月末の株主総会を経て、中間持ち株会社のキリンと事業会社のキリンビールで社長を務めていた磯崎功典氏が新社長に就任する。現社長の三宅占二氏は、代表権のない会長に退く。磯崎新社長の最優先課題は、落ち目の国内ビール事業の復活だ。

 キリンビールの社長には、同社副社長でキリンビールマーケティングの社長だった布施孝之氏が1月1日付で昇格した。「泥臭く取り組む商人(あきんど)の精神が弱くなっていた」。とキリンHDの新社長に就く磯崎氏が指摘するように、ビール業界のガリバーと呼ばれたキリンビールは中期低落が続いている。その泥臭さを体現しているのが布施氏だといわれており、同氏は「シェア2位に納得していない。やるからにはトップを狙う」と言い切る。

●アサヒグループホールディングス

 アサヒグループHDは14年、ビール系飲料の課税出荷数量で5年連続トップになった。これを花道に、在任6年目となる泉谷直木社長が交代するのではないか、という見方がある。泉谷氏がHDの会長になり、事業子会社であるアサヒビールの小路明善社長がHDの社長になるとみられている。アサヒビールの社長には、平野伸一専務が昇格する可能性が高い。

 昨年、外食・居酒屋チェーンで業務用ビールの銘柄のくら替えが急増した。そこでアサヒはコロワイド、チムニー、すかいらーく、大庄などで勝利し、国内ビール市場が低迷する中、業務用ビールで業績を伸ばした。その立役者が平野氏だ。最近はインタビューなどメディアへの露出も多く、耳目を集めている。

●サントリーホールディングス

 サントリーHDはグループ再編でビール部門が独立、昨年10月にサントリービールが誕生した。新たに社長に就いた水谷徹氏は「2020年の東京オリンピック開催時には、サントリービールのシェアを20%(14年12月末は過去最高の15.4%)にする」と強気だ。15年の国内ビール市場はキリンの巻き返しがあるのか、それともアサヒ、サントリーがキリンのシェアをさらに侵食して伸びるのかが見どころになる。

 新しいトップが業界の勢力地図をどう塗り替えるか、今年も企業同士の熾烈な争いから目が離せそうにない。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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