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オリンパスは、スイッチの不具合による健康被害は出ていないとしているが、同社社員からは「(手術で)おなかに炭酸ガスを送気し続ける気腹器という硬性腹腔鏡を使用する際、本当に健康被害はないのかと疑ってしまいます」と訴える声もある。
数字に表れやすい業績動向や財務内容はともかく、都合の悪い情報は開示しようとしない企業体質は変わっておらず、数字に表れない部分ではオリンパスは立ち直っていないのである。
同社は1月30日、日本経済新聞社主催の「日経アニュアルリポートアウォード2014」優秀賞受賞を発表した。選ばれる企業側が多額の参加費を支払う賞にどれだけの価値があるのか疑わしいが、情報開示の要諦は誠実かつ正確であることのはず。改修問題一つをとってみても、誠実さや正確さを褒めたたえるほどの開示姿勢かと首をかたむげたくなる。
(文=山口義正/ジャーナリスト)
●山口義正(やまぐち・よしまさ)
ジャーナリスト。日本公社債研究所(現格付投資情報センター)アナリスト、日本経済新聞記者などを経てフリージャーナリスト。オリンパスの損失隠しをスクープし、12年に雑誌ジャーナリズム大賞受賞。著書に『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』(講談社)
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