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経産省内でも日本勢同士で消耗戦を続ける構図を危惧して、シャープの液晶事業とJDIの「日の丸連合」構想がいまだにくすぶるが、国主導の大型再編が軟着陸した成功例は少ない。
近年でも半導体産業で長年再編の焦点となっていたシステムLSIでオールジャパン体制が出来上がり、ルネサス エレクトロニクスが設立されたのは、議論が浮上して10年以上が経ってから。完全に競争力を失っており、電機メーカー各社本体から不採算事業を切り出しただけの張りぼてのオールジャパンになったのは記憶に新しい。経産省内では、「半導体再編を振り返れば、JDIとの合併は次の経営危機に陥った時」との皮肉も飛び交うほどで、メディアがはやし立てる液晶大型合併待望論との温度差は大きい。今回の場合、JDIも自前で石川県に新工場の建設を計画しており、国や銀行が動いたところで、実現性は低い。
主力銀行幹部は「ボールは向こう(=シャープ)にある。だが、球は一球しかない」と今回の融資が最後であることを隠さない。当初の計画から1カ月遅れて、4月初旬には構造改革の骨子が固まると見られている。
シャープはラストチャンスを生かせるか。それとも、数年がかりでの解体に進むのか。
(文=黒羽米雄/金融ジャーナリスト)
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