恐縮しきりの広報担当者
ルミネのターゲットであるはずの20~30代女性から見ても、CMの内容は理解しがたいようだ。また、CM動画の削除と同時に公式サイトに掲載されたお詫び文の内容も、炎上を助長させている。
「この度は、弊社の動画においてご不快に思われる表現がありましたことを深くお詫び申し上げます。今後はこのようなことのないよう、十分に注意してまいります」
この簡素なお詫び文に、「誠意を感じられない」「素っ気ない」などの声が上がったのだ。この一連の騒動について、ルミネ広報に取材を申し込むと、以下のような回答を得た。
「動画自体に不快に思われる表現があったということで、いろいろなご意見はいただいています。お詫びをするとともに、動画のほうは非公開とさせていただきます」
また、CMの制作意図について聞くと「制作意図や制作過程も含め、回答のほうは差し控えさせていただきたいと思います」と、前述のお詫び文を繰り返すような回答に終始した。この取材対応について、よくルミネを利用するという20代女性は語る。
「この対応は、ルミネファンとしては少し残念です。この機会に、制作意図などについてきちんと説明してほしかったです。なぜあんな内容の動画を作ったのか、納得のできる説明を聞きたいです。これからもルミネで買い物をするつもりですが、そのたびにちょっとモヤモヤしてしまいそうです」
利用者からすれば、きちんと説明してほしいと思うのは当たり前だろう。ちなみに、CMの第2話では、別の男性からほめられてついしゃべりすぎてしまう女性に再び「自虐」のテロップが出るが、これは1話とは違った印象を受ける。同CMは2話まで公開されたが削除され、それ以降は非公開になってしまった。
「3話以降で伏線を回収するつもりだったのでは」「シリーズものは最後まで見ないとわからない」との意見も見られるが、1話の内容を見る限り、その時点で拒否反応が出てしまうのも仕方がないといえる。
ルミネの広告といえばこれまで、女性人気の高い写真家・蜷川実花の写真や、博報堂のコピーライター・尾形真理子のキャッチコピーなどで多くの女性の共感を得てきた。「ルミネ=秀逸な広告」というイメージも醸成されつつあった中でのこの騒動は、ある意味で意外な展開ともいえる。それだけに、広報担当者には事の経緯を説明してほしかったが、要領を得なかったのは残念だ。いずれにせよ、ルミネにはファンが多いのも事実だけに、女性たちが気持ちよく買い物できる広告作りを期待したいところだ。
(文=編集部)