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「ダイヤモンド」vs「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(6月第2週)

FXで30万円儲かった女性の手法「円安が進むたびにドル売買」 投資マネー細かい立ち回りが左右

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まだ人気なんですね。(「Thinkstock」より)
毎日の仕事に忙殺されて雑誌を読む間もないビジネスマン必読! 2大週刊経済誌「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)と「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)の中から、今回は「週刊ダイヤモンド」の特集をピックアップし、最新の経済動向を紹介します。

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週刊ダイヤモンド 6/8号」の特集は『投資マネー異常事態』。日本銀行の黒田東彦総裁が打ち出した“異次元緩和”をはじめとする、日米欧の大規模な金融緩和によって、“中央銀行バブル”が発生し、マネーが大きく揺れている。日本の株式市場は乱高下、金利も不気味な上昇を続ける。投資マネーはどこに向かい、何を引き起こすのかを追った特集だ。

 大規模化した異次元金融緩和策は、銀行が融資をするという、リスクテークをせざるを得ない状況を作り出すことが狙いだった。銀行にとって、長期国債はコメのような主食、この主食を日銀が新規発行額の7割も市場から買い占めていくために、長期金利は低く維持されて、銀行は主食をほかに求めざるを得ない状況になるはずだった。

 ところが、企業の資金需要は乏しく、融資はなかなか伸びず、「期待」先行型で株式、不動産(J-REIT)市場などが上昇したのみにとどまった。さらに長期金利を低位に抑えるために日銀が購入を進めてきた国債が、市場に放出され、金利は緩和直前の水準よりも上昇してしまった。これが、長期金利が乱高下をしている理由である。

 特集『Part1 黒田緩和が迫るリスクテーク』では、こうした債券市場の不安定さに関しては日銀も不安視していたという。しかし、日銀が本当に恐れているのは、金利の乱高下や急上昇であって、現在の金利水準(5月23日時点で0・835%)は直近で言えば1月4日ごろの金利水準で、容認の範囲内だ。景気(株価)との対比でいえば、「少しは抑えられている」という評価が妥当なところだ。

 問題は、長期金利という主食を取り上げられた銀行や生命保険会社などの投資家が本当にリスクテークするのか、だ。しかし、企業の資金需要は盛り上がっておらず、銀行の総貸出残高は減少傾向から抜け出せていない。銀行が不動産融資に回れば、地価は上がっていくのだが、08年のミニバブル崩壊前に購入された物件はいまだ価額が高く、市場に物件が出てこないのだ。

 生保が為替リスクをとって外債購入を進めれば円安を促進するのだが、金融規制の強化という問題がある。生保の支払い余力を示すソルベンシーマージン比率の厳格化とソルベンシーIIの導入で、負債を時価評価せざるを得なくなる。つまり、リスク性資産をさらに減らさざるを得なくなり、このために国債への比重が増しているというわけだ。

 特集『Part2 熱狂する個人マネー』では、そんななか、過去最高の売買高を記録して熱狂しているFX(外国為替証拠金)取引を紹介している。ここ数年、円相場は歴史的な円高だったが、12年末から円安が進み始める。「1円円安が進むたびに、ドルの買いと売りを繰り返していた」という女性は、儲けがあっという間に30万円になったという。たしかに、FXは一定方向に動く波に乗ることができれば、儲けを出すことができる。その流れが最近まで来ていたということか。

 円安とともに、国内の店頭FX取引高も増加。1月以降は300兆円を超え、4月には初めて400兆円に乗った。かつて100倍だったレバレッジは2011年8月から25倍に抑えられたが、そうした制約にもかかわらず取引高は過去最高を記録したのだ。

 FXの日本の個人投資家は、家事の合間に取引しているとのイメージから「ミセス・ワタナベ」と総称され、海外のヘッジファンドからも注視されてきたが、最近は、スマホの普及にともない、30~40代の男性や若い女性もFX業者の開くセミナーに参加しており、多様化しているという。

 また、為替は夜中に値動きが活発になるために、自動売買してくれる「シストレ」、システムトレードも注目が集まっている。シストレ業者によっては、1500以上の売買手法から投資家がいつでも最適なパターンを選べる仕組みもあるという。

 シストレを使う投資家は全体のわずか数パーセントながら、売買高では半分以上を占めるのではないかと見られている。

 注目の今後だが、やはり「年内にも」と見られている米国のQE3(量的緩和第3弾)の縮小だろう。米国はこの縮小の仕方が難しいことに気が付き始めている。今後、巧みに立ち回らなければ、金融不安から世界の流動性は一気に枯渇し、海外からの投資マネーに依存する新興国経済は、大規模な資金流出に見舞われる。

 その衝撃は、日本では長期金利の急上昇や、株価の暴落といった形で現れかねないのだ。しかも、将来の日本も異次元金融緩和策を縮小する時期には、米国同様に縮小の仕方の難しさに直面するはずだ。日本の金融関係者は、米国の今年後半の動きを注視せざるを得ないのだ。
(文=松井克明)

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