政府は24日、ガソリン価格の高騰抑制に向けた補助金と電気・都市ガス料金の負担軽減策を来年4月末まで延長する方針を固めた。近くまとめる新たな総合経済対策に盛り込む。同日、対策の原案を自民、公明両党の政調全体会議に提示した。11月2日の閣議決定を目指す。財源の裏付けとなる2023年度補正予算案については、「早期成立に取り組む」と明記した。
原案は、岸田文雄首相が与党に検討を指示した所得税減税や、低所得者世帯への給付措置について、具体的な規模や期間に触れていない。与党の議論を踏まえて最終決定するとみられる。
自民党の萩生田光一政調会長は会議の冒頭、「現時点での対策案についてよく吟味し、ブラッシュアップしていきたい」と述べ、所得税減税も含めて党内で議論を加速させる考えを示した。
政府は今回の経済対策で、成長軌道に乗せる「供給力の強化」と、物価高を乗り越える「国民への還元」を両輪と位置付けた。物価高対策や構造的な賃上げ、投資拡大など5本柱を掲げ、予算や税制、規制改革など「あらゆる政策手段を総動員する」と強調した。
物価高対策の柱の一つがエネルギー価格高騰対策。ガソリンなど燃料油価格を抑えるための補助金は22年1月に始まった。政府は補助金を段階的に縮小してきたが、いったん年末まで延長・拡充。今回の対策で来年4月末まで再延長する。電気・ガス料金の負担軽減措置も同様に延長し、5月は支援幅を縮小する。
原案はこのほか、自治体が低所得者世帯への給付措置などに充てる「重点支援地方交付金」の追加や、経営難に陥った全国の中小企業の再生を支援する新たな会議の設置を盛り込んだ。東京電力福島第1原発の処理水放出による風評被害対策も実施する。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2023/10/24-11:55)