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強まる早期の政策修正観測=日銀総裁、年末から来年「チャレンジング」

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 金融市場で日銀がマイナス金利政策を早期に解除するとの見方が強まっている。植田和男日銀総裁は7日の参院財政金融委員会で「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」と言及。総裁発言が政策修正観測を後押しし、金利上昇に弾みがついた。市場では、来年の春闘の賃上げ動向をにらみながら、マイナス金利解除のタイミングを探っている。

 「賃金が来年も上がるかどうかなどを点検していきたい」。植田氏は7日午後、首相官邸で岸田文雄首相と会談後、記者団に緩和の出口について語った。物価目標の持続的実現に向け、政府・日銀が認識をすり合わせた可能性がある。

 6日には、氷見野良三副総裁が大分市の講演で、「賃金と物価の好循環が強まっていくメリットは幅広い家計と企業に及ぶ。出口を良い結果につなげることは十分可能だ」と発言。マイナス金利を解除しても経済への悪影響は限定的だとの見解を示すなど、出口を巡る日銀幹部の発言が相次いでいる。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジストは、氷見野氏の発言について「想定していたよりも出口に踏み込んだ印象だ」と受け止める。

 日銀の政策修正観測を背景に、財務省が7日実施した30年物国債の入札は不調な結果となった。東京債券市場では、長期金利が急騰(債券価格は急落)し、前日比0.105%高い0.750%に上昇した。

 ただ、日銀が利上げを決断するにはリスクもある。食料品を中心とした物価高で個人消費が鈍化しているほか、米国経済は先行きの後退懸念が強い。これに対し、氷見野氏は6日の会見で「全部青信号がともることは実際の経済ではない」と指摘する。

 日銀は今月18、19日に金融政策決定会合を開く。賃金と物価がともに上がる好循環の実現に確信を得るのか。難しい判断を迫られる。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2023/12/07-16:17)

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