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与党税制改正大綱要旨

記事提供元=時事通信社

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 自民、公明両党が14日にまとめた2024年度税制改正大綱の要旨は次の通り。
【基本的考え方】
 30年ぶりの高水準の賃上げ、過去最大の民間投資など、日本経済は明らかに動き始めた。デフレ脱却・構造転換に向けた千載一遇のチャンスを逃さぬよう、この動きを広げる必要がある。
 所得税・住民税の定額減税により、目に見える形で可処分所得を伸ばす。賃上げ促進税制を強化し、賃上げにチャレンジする企業の裾野を広げる。賃金が物価を上回る構造を実現し、国民がデフレ脱却のメリットを実感できる環境をつくる。
 次元の異なる少子化対策を進める中で、税制でも子育て支援措置を講じる。高校生に支給される児童手当と扶養控除を合わせて、全ての子育て世帯に対する実質的な支援を拡充する。

【改正の具体的内容】
〔定額減税〕
 納税者および配偶者を含めた扶養家族1人につき、所得税3万円、住民税1万円の減税を行う。年収2000万円超に相当する高額所得者は対象外。
〔賃上げ促進〕
 賃上げに加え、子育て支援などに取り組む企業は、大企業で給与などの増加分の最大35%、中小企業で同45%まで法人税額を控除する。
〔交際費〕
 企業が損金に算入できる飲食費の基準を現行の1人当たり5000円から1万円に引き上げる。
〔住宅ローン減税〕
 子育て世帯を対象に、借入限度額の現行水準を維持する。長期優良住宅で5000万円、省エネ基準適合住宅で4000万円など。
〔住宅リフォーム減税〕
 一定の子育て対応改修工事の費用相当額(上限250万円)の10%を所得税から控除できる。
〔生命保険料控除〕
 所得税における生命保険料控除の一般枠について、23歳未満の扶養親族がいる場合、現行の適用限度額4万円に対し2万円を上乗せする。25年度税制改正で結論を得る。
〔外形標準課税〕
 資本金1億円超の企業を課税対象とする現行基準を維持した上で、資本金が1億円以下の企業でも、資本剰余金との合計が10億円を超える場合も新たに課税対象とする。中小企業には適用しない。
〔森林環境譲与税〕
 地方自治体に配分する基準について、森林面積の割合を現行の50%から55%に引き上げ、人口割合を30%から25%に引き下げる。
〔免税制度〕
 免税店が販売時に外国人旅行者から消費税相当額を預かり、出国時に持ち出しが確認された場合、その額を返金する仕組みに改める。25年度税制改正で詳細について結論を得る。
〔扶養控除〕
 児童手当の所得制限が撤廃され、支給期間が高校生まで延長されることを踏まえ、16~18歳までの扶養控除を所得税で38万円から25万円に、住民税は33万円から12万円に縮小する。25年度税制改正で結論を得る。
〔ひとり親控除〕
 所得税の控除額を35万円から38万円に、住民税の控除額を30万円から33万円に引き上げる。所得要件は、現行の合計所得金額500万円以下を1000万円以下に引き上げる。扶養控除の見直しと合わせて結論を得る。
〔たばこ税〕
 加熱式たばこと紙巻きたばこの税負担差を解消し、増収を防衛財源に活用する。適当な時期に必要な法制上の措置を講じる。

【検討事項】
〔相続税〕
 納税者の支払い能力をより的確に勘案した物納制度となるよう、延納制度も含め、物納許可限度額の計算方法について早急に検討し結論を得る。
〔固定資産税〕
 新築住宅に関する固定資産税の減額措置について、安全安心な住まいの実現などに向けた政策との整合性を確保する観点から、地方税収の安定的な確保を前提に在り方を検討する。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2023/12/14-20:11)

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