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●老後の生活を脅かす住宅ローン
60歳を迎えた時点で「残債1000万円」のケースは珍しくない。そうなると、退職後の生活を住宅ローンに脅かされながら生きることになる。
ある70代の女性は、55歳の時に1700万円を借り入れて25年ローンを組み、千葉県に家を買った。最初は順調でも、年金生活になると返済に窮するようになり、銀行に相談に行くと毎月の支払額は下げられたものの、完済年齢は「97歳」になったという。たまらず、任意売却と自己破産することになった。
教訓として「週刊文春」は「返済額は月収の20%に抑えること」、「サンデー毎日」は「退職時点でのローン残額をできるだけ少なくすること」を提案している。
しかし、これだけでは不十分だ。さらに、これから住宅ローンを組もうと考える人には、もう一つアドバイスがある。地価の下落スピードを考えて、「できるだけ資産価値の減らないエリア」を選ぶということだ。地価の下落スピードが住宅ローン(元金)の減るスピードよりも速ければ、不動産を売却した場合、借金だけが手元に残ってしまい、自己破産せざるを得なくなる。反対に地価の下落スピードが住宅ローン(元金)の減るスピードよりも遅ければ、不動産を売却した場合は資産が手元に残るので、不動産を売ることに躊躇がなくなる。
ただし、「できるだけ資産価値の減らないエリア」とはどこかといえば、都内の一部人気エリアなどの超高額不動産ばかりで、他のエリアは「老後破産」リスクに悩まされることになる。結局のところ、少子高齢化、地価下落時代に35年ローンはリスクが高すぎるのだ。
(文=松井克明/CFP)
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