小籔の安倍政権擁護発言
小籔は過去、森友問題では安倍政権に対して徹底して擁護の姿勢をみせていた。国会で公文書改ざんについて麻生太郎財務大臣に厳しい質問が飛んだことに対し、「権力はディスっていいという反自民の人の見方、わけのわからん無駄な質問」と質問した側を批判。批判的な人を「反自民」とひとくくりにしたあたり、いかにも政権支持側の物言いだ。
さらに森友学園が子供たちに「国に危機が迫ったなら忠誠心を発揮してその身命を捧げ、それによって、永遠の天皇様の勢威を支える」と教育勅語の内容を唱和させていたことにも、小籔は「なんにも悪くないと思います」と述べており、当然ながら憲法改正には大賛成の意見を何度も口にしていた。
芸能人が自民党支持でも憲法改正に賛成でも、それ自体に問題があるわけではないが、そこに「利益供与」があったなら見方は変わってくる。事実、芸能界では「いままで政権支持していたからこそ小籔が国の仕事をもらえた」との声が囁かれているのだ。何しろ安倍政権は、首相主催の「桜を見る会」問題でも森友・加計問題でも、支持者への不自然なかたちでの税金投入が顕著である。もし小籔がポスター出演に選ばれ、吉本が4000万円ものPR事業を受託していたというなら、みんなそれに倣いたくもなる。
お笑いに詳しい芸能ライターはいう。
「吉本はほかにも、内閣府の政府広報から『住みます芸人』のタイアップを取り付け、各地域の広報事業を請け負っていて、吉本の芸人間では『安倍政権の悪口を言うのはタブー』という話が聞かれるほど」
今回、吉本の制作でまさにお笑いトーンを感じさせるポスターの内容が「誤解を招く」と批判を受けたのは、厚労省による委託先業者の選定ミスともいえそうだが、これも吉本が政権べったりだったおかげなのか。前出ライターいう。
「吉本は、自社が抱える約6000人のタレントに高い付加価値をつけ、高額な税金が投入される仕事を国から次々と請け負える。そのためなら、芸人全員に政権支持者になってほしいぐらいでしょうね。少なくとも政権批判するタレントには、絶対に降りてこない仕事でしょう」
今回のポスター問題は結果的に「人生会議」の知名度を広げることになって結果オーライだとする声もあるが、それ以上に広まったのは、“政権を支持すれば4070万円のPRの仕事をもらえる”という芸能界側の認識かもしれない。
(文=藤堂香貴/NEWSIDER)