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日本の作家の場合、「作家になりたい」という希望者は数多い一方で、そもそも「日本語」のマーケットが小さい。加えて、本を買う人口は、全体の人口減少以上のスピードで減っている。少なくともビジネス・モデルの改良は急務だ。
ミュージシャンの世界では、インターネットの影響もあり、CDがかつてほど売れなくなったので、ライブのチケットを値上げしグッズの販売を増やすなど、ビジネスの形態が変化してきている。ファンを集めた交流会的なイベントを催す場合もある。
また、かつてであれば、イベント屋やチケット販売会社に丸投げしていたコンサートのチケット販売を、昨今ではミュージシャンの事務所が直接行い、「中抜き」される手数料を節約するとともに、顧客のデータを自分達で持つ、ダイレクト・マーケティングを取り入れるようになってきた。
ビジネスモデルの改善が急務
俗に「センセイ」と呼ばれる、講演や著述で食っていこうとする人々は、おしなべていえば、第一にそもそも営業努力が足りないし、第二にビジネス・モデルに工夫がない。結果的に大学の教師で食っていこうとする人が少なくないが(しばしば生徒には迷惑だ)、少子化で大学も衰退産業だし、大学教員の希望者が多くて、席を確保するのは大変だ。
センセイ業の人々は、対面サービス的な時間をつくって少数のファンを深掘りするか、ネットを使って広く・薄く課金(あるいは広告)できるモデルを考えるか、いずれかの方向を目指すべきだろうし、どのような方向であっても、顧客データを自分で持つことを考えるべきだろう。マネジメント事務所や出版社のアクションを漫然と待っているのでは、早晩ビジネスとして成り立たなくなる。
(文=山崎元/楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表)
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