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さらに言えば、5人だけで食事をさせてどうなることが狙いだったのかもまったく伝わってこない。劇中では最終的に5人が意気投合する様子が描かれたため、南城の狙いはこれだったのかと思われたが、それもその場だけのものだったことがほどなくして明らかになった。舞子は相変わらず編集に口出しして偉そうに振る舞い、洵子は会社を辞めてハマユカが新たに関わる新ファッション誌に加わることになったのだ。
どうやら江里も洵子から新雑誌に来ないかと誘われているようだし、同じく奈央も誘われているのは前述の通りだ。「5人の女性が火花を飛び散らせてバトルを繰り広げ、結果的にたもとを分かった」という展開だったのなら晩餐会シーンにも意味があったと思うが、実際に描かれたのはギスギスした空気からの謎の意気投合、そして「ヴァニティ」にかかわっていた5人が分裂するという展開。この流れにはまったく連続性がない。もはや話の流れや結末などどうでもよく、制作陣がやりたいことをやっただけなのではないかと思えてならない。
そんな適当な制作陣の犠牲となったのではないかと思われるのがモデルのレイナを演じる芦名星。途中から登場してきてさしたる出番もなく、トークショーでいきなり妊娠していることを明かして「ヴァニティ」の卒業を発表するという意味不明な流れで退場させられてしまった。レイナが突然辞めたことは「ヴァニティ」にとってまあまあな騒動のはずだが、特にそれに関するエピソードはなく、ほぼ完全にスルー。最終回で描かれるであろう「ハマユカVS舞子」の構図に必要ないと判断されたのか、ポイ捨て同然にドラマから切り捨てられた格好だ。
さて、最終回で気になるのは、奈央がハマユカの誘いに乗って新雑誌に移るのかどうかのただ一点と言っていい。ハマユカが奈央をスカウトするのは原作通りの流れだが、結末は原作と異なる可能性もある。いずれにせよ、せめて最終回は視聴者を納得させるドラマを作ってほしい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)
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