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藤井聡太、対局料総額は700万円?今週末の羽生戦を大胆予想!2人の会見で異例事態

文=田丸昇・九段
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羽生竜王と藤井五段の対局は互角?

 1月16日、都内のホテルで羽生竜王の就位式が開催された。それに先立って、同じ会場で羽生竜王と藤井五段の共同記者会見が行われた。両者は2月17日に朝日杯将棋オープン戦の準決勝での対局が決まっており、メディアから大いに注目されていた。ただ、読売新聞社が設けた竜王就位式の会場で、朝日新聞社の主催棋戦に関する質問が出る記者会見が行われたのは異例のことだった。永世七冠を獲得して「国民栄誉賞」を授与された羽生竜王と、将棋ブームを巻き起こした藤井五段は、今や棋戦主催者の枠を超えた特別な存在になっているのだ。

 羽生竜王は記者会見で藤井五段について、「こんなに早く実現するとは思っていませんでした。藤井さんが今期の朝日杯で並みいる強豪に8連勝して勝ち上がったことは立派で、手ごわい存在と認識しています」と評価した。一方の藤井五段は「羽生先生と対局できるのを楽しみにしています。勝負のうえでは対等だと思っています」と抱負を述べた。

 羽生竜王は昨年、「アベマTV」の企画で藤井五段と非公式戦の対局をして敗れたが、それと比べて朝日杯での対局は、公式戦であるうえにトーナメントの準決勝ということで、力の入れ方や重みはまったく違う。ただ、棋士というものは、将棋イベントの記念対局や研究を前提にした練習将棋でも、戦いが進んでいくうちに勝つために全力を挙げるので、公式戦と非公式戦の区別はなくなる。羽生竜王がアベマTVで藤井五段と初めて対局したときも、当初は手探りで指したかもしれないが、途中から本気モードだったと思う。藤井五段の勝利は、決してフロックではなかった。

 私は、朝日杯での羽生竜王と藤井五段の対局は、まったく互角だと思っている。マラソンに例えて「競技場での勝負に持ち込めば」、スプリント(将棋でいえば、詰めの速さと正確さ)で羽生竜王よりも勝る藤井五段に勝機があると、別の記事で予想したことがある。しかし、その例えは適当ではなかった。「35キロあたりまで競り合っていけば」と訂正したい。その前に羽生竜王に振り切られたら、藤井五段に勝ち目はない。朝日杯の持ち時間は、各40分。短時間の対局では下位者が上位者を破るケースはよくあり、ともに1手60秒の秒読みに入った状況での逆転劇は付きものだ。スリリングな終盤のつばぜり合いに期待したい。

 羽生竜王は若手棋士の頃、対局中に相手に視線を無意識に飛ばすことがあり、“ハブにらみ”とも呼ばれた。藤井五段も同じような様子をたまに見かける。大山十五世名人は当時の羽生竜王について、「乱視の傾向があるからではないかと推察しています。一点を集中して見ていると焦点が定まらなくなり、眼球を動かして対応すると、それが“ハブにらみ”になるのでしょう。羽生さんは礼儀正しい好青年ですからこそ、私はそう思うのです」と語り、理解を示した。さて、藤井五段の場合はどうなのだろうか。

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