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『モンテ・クリスト伯』無関係の人に復讐で近親相姦させるって、さすがにマズイんじゃないか?

文=吉川織部/ドラマウォッチャー

 ディーン・フジオカ主演の連続テレビドラマ『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』(フジテレビ系)の第4話が10日に放送され、視聴率が前回より0.6ポイントダウンの6.5%(関東地区平均、ビデオリサーチ調べ)だったことがわかった。日本では『巌窟王』の名で知られる有名小説を下敷きにした本作。原作通り、平穏に暮らしていた日々を突然奪われ、長い間過酷な環境で暮らした主人公・柴門暖(ディーン)がモンテ・クリスト・真海と名を改め、自分を陥れた者たちに復讐を果たす――というストーリーになると予告されている。

 第4話では、安堂完治(葉山奨之)なる新キャラが登場。真海は、神楽清(新井浩文)の妻・留美(稲森いずみ)と安堂を引き合わせ、「アパレルブランドを立ち上げようとしている実業家」と紹介する。一方、神楽は社運を賭けた国有地の取引がライバル業者に取られそうな状況になり、いらだちを隠せずにいた。

 そんななか、留美は安堂への出資を神楽に持ち掛けるが、それどころではない神楽は「力になれない」の一点張り。仕方なく留美は仮想通貨の取引に手を出してしまうが、真海は巨額の資金を動かして市場を操作し、仮想通貨を暴落させる。留美は最後の頼みの綱として、かつての愛人・入間公平(高橋克典)から300万円を借りた。だが、妻の怪しい動きに勘づいた神楽はすべてを知っていた。自分がまったく愛されていなかったことに絶望した留美は、そのまま家を飛び出して安堂に300万円を手渡し、そのまま男女の関係へと堕ちていった。その頃真海は、復讐を手伝う江田愛梨(桜井ユキ)に、安堂と留美が実の親子であることを打ち明けていた――という展開だった。

 復讐の一環として因縁の親子を近親相姦させるというのは、あまりにもエグい。第4話についての論評は、ほぼこれに尽きる。

 まあ、「あまりにもひどいことをされたのだから、同じくらいひどいことをやり返そう」という論理自体はわからなくもない。実際に同じことをやり返すわけでなく、相手を精神的に追い詰めてダメージを与えようとするのもわかる。

 ただ、本来なら留美は復讐相手ではない。真海を陥れた入間の元愛人であり、同じく真海を陥れた神楽の妻であるというだけの存在だ。むしろ、入間には都合のいいように利用されて捨てられ、その後政治家の肝いりで結婚した神楽にもまったく愛されていない不幸な女性だ。それなのに留美ばかりが真海の策略でさらにどんどん不幸になっていくものだから、なんだかかわいそうになってしまう。

 復讐相手の「大切なものを奪う」のが真海の目的らしいが、そもそも留美は入間にも神楽にも大切にされていない。では、留美をそこまで追い詰め、過去の罪をえぐるような仕打ちを仕掛けることに何の意味があるのか。今のところ入間も神楽も留美によっていくばくかのお金を損失しただけで、ほとんどダメージを受けていない。インターネット上でも「留美は関係ないのにかわいそうだ」との声がかなり大きくなっている。

 ちなみに、原作には近親相姦の設定はないようだ。ドロドロ展開を取り入れたオリジナル脚本を受けて、一部視聴者からは「往年の昼ドラのようになってきた」「韓国ドラマっぽい」との声も上がり始めている。これはこれで一定の支持層がいるため、その路線にきっちり方向性を定めるのもドラマのつくり方としては“あり”だろう。ただ、今のように復讐の準備としてターゲットの周りを固める描写を続けているうちに、視聴者が離れてしまうおそれもある。

 最後に、前回も少し触れたが、「華麗なる復讐」とうたっているわりにそうでもない、という点をもう一度述べておきたい。ディーン演じる真海がさまざまな仕掛けでターゲットをハメていく展開ならもう少し爽快感があると思うが、本作に出てくるターゲットは全員が全員、後ろ暗い過去を持っており、真海が少しつつくだけで勝手に自滅しそうな人たちばかりだ。主人公が知略を尽くして相手を破滅させる描写がないと、だんだん真海のことがセコい悪党にしか見えなくなってしまうのではないか。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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