ドラマ1話で600万円?米倉涼子のギャラが上がるカラクリ…俳優とギャラの危険な関係
どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。
前回、アイドルのおカネ事情についてお話ししましたが、今回はその役者バージョンです。ドラマ制作におけるギャランティ(出演料)のシステムについてお話ししていきたいと思います。「おいおい、また金の話かよ」とお思いの方もいるかもしれませんが……気になるでしょ? 芸能人のおカネの話(笑)。
よく週刊誌やネットニュースなんかでも“女優のギャラランキング”“CMギャラランキング”なんて特集が組まれてますよね。こういう情報はやっぱり需要があるんだなぁ~なんて思いつつ、僕もついついじっくり読んじゃったりして(笑)。ただね、あのランキングって微妙に間違っていることが多いんですよ! 情報の流出元がバレないように、わざと間違えさせてるのかな?って思うくらい。もちろん、“なんとな~く”は合ってるんですけどね。
今日はそんな役者のギャラ事情について、僕が知っている範囲にはなってしまうのですが、じっくりお伝えしていきたいと思います。
米倉涼子のギャラが上がる“カラクリ”とは
まずドラマのギャラがどのように支払われるのかというと、基本的には「1本(1話につき)いくら」で計算されることが多いです。
具体的な金額を挙げていくと、年齢やキャリアにもよるけれど、女優の場合だと主役級で100万円とか150万円とか、そんな感じかな。確か一番もらっている人で1本200~250万円前後だったと思います。チョイ役なんかだと、1万5000円とか3万円とか、交通費にもならないようなギャラで出演している人もいますね。
男性俳優のほうが全体的にちょっと高めな印象かな……。若手のイケメン俳優なんかだと、1話当たりだいたい50万円前後くらいが相場かと思います。
もちろん、もっと多くもらっている人もいますよ。今だと米倉涼子さんとかすごいですよね! 彼女は別格で、ネットニュースでは1話当たり600万円なんていわれてましたけど……。もう、彼女に関しては『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)シリーズを大ヒットさせたという、テレビ朝日からの“功労賞”みたいな部分もありますよね。「企画」というクレジットで、米倉さんが所属するオスカープロモーションの社長のお名前が入っていたので、別の企画料みたいな名目でお金が支払われているかもしれません。
でも実際、本当にすごいドラマです。視聴率が10%を超えればヒット作扱いされるこのドラマ冬の時代に、シリーズが放送されるたびに視聴率20%超えを連発、2017年に放送された第5シリーズの最終回に至っては、総合視聴率35.2%を記録してますからね。そりゃテレビ朝日もいくらおカネを払っても出てもらいたいところですよね。
昔の話になっちゃいますけど、ドラマ自体に力があった時代ってあるじゃないですか。おもしろいドラマがどんどんつくられていて、視聴率も高かった時代。ドラマに出演できるということ自体に価値があって。そういう時代には、多少ギャラが高くなくても出演したがる役者は多かったと思うんです。でも今って、全然そうじゃないじゃないですか。
米倉さんにしても、これだけ功成り名遂げた今、「わざわざそこまで頻繁にドラマに出なくても構わないのに……」くらいのことは思ってるだろうし、実際、特に『ドクターX~』シリーズに出続けて同じ役のイメージが付いてしまうのは、この先の役者人生を考えるとちょっと嫌だわ……みたいなことをずいぶん前から思っているみたいですしね。そこを出演してもらうんだから、やっぱりギャラは上げていかないと……という感じなんでしょうね。
これがほかのドラマだったら、主演を織田裕二さんにお願いしたいけどダメだったらあの人にお願いしよう、山﨑賢人くんがダメだったらあの子にお願いしよう……なんていうふうに、同じくらいのギャラの役者でキャスティングを考えられる。でも、『ドクターX~』シリーズも、2018年に新シリーズを立ち上げて高視聴率を叩き出した『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)も、彼女ありき、彼女じゃないと成り立たないドラマですもんね。ほかの女優に取り替えがきかない。そうなると、企画を研ぎ澄ませることはもちろんですが、ギャラでも誠意を見せる必要がありますからね……。はぁ、僕の事務所の役者たちも、そんな域に到達させたいものです……!