ジネディーヌ・ジダン、ディエゴ・マラドーナ、ロベルト・バッジオ、ミシェル・プラティニ……少しでもサッカーに触れたことのある人であれば、一度は耳にしたことのある、いわばサッカー界のレジェンドたちの名前である。
そんなビッグネームがかつて所属していたイタリア1部リーグ・セリエAだが、今は凋落の一途をたどっている。昨年、日本代表選手の本田圭佑がチャンピオンズリーグを歴代2位となる7度も制している名門ACミランに移籍し、サッカーではエースナンバーとされる背番号10を背負うことが話題となり、メディアでも大きく取り上げられた。それは日本サッカーの歴史を考えれば大変な偉業であり、数年前までであれば予想もつかないような出来事であるため、喜んだサッカーファンも多かっただろう。しかし、「現在のミランの10番に、それほど価値があるのだろうか」といった懐疑的な見方も少なくなかった。それはセリエAが凋落し、さらにミランがそのセリエAで低迷しているためだ。
事実、欧州サッカー連盟(UEFA)が発表する各国リーグの格付けでは、セリエAは4位となっており、スペインのリーガ・エスパニョーラ、ドイツのブンデスリーガ、イギリスのプレミアリーグに大きく水をあけられている。ここまで落ちぶれた理由には諸説ある。例えば、2006年5月に大規模な八百長が発覚したこと、イタリア国内の経済状況が芳しくないこと、若手の育成を怠ったことなどが要因として挙げられている。これらの問題が絡み合って、世界最高峰と呼ばれたリーグは失墜したのである。
Jリーグはアジア3位?
一方、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は現在どのレベルにいるのだろうか。1993年にプロリーグが発足し、今日に至るまで目覚ましい勢いで日本サッカー界は成長し、今やアジアトップクラスのサッカー大国となった。参考までに、国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)が昨年発表した世界各国のリーグランキングを見てみると、Jリーグは30位となっている。上位には欧州や南米の列強国が名を連ねているが、このランキングでJリーグはアジア3番手に位置している。23位に韓国のKリーグ、24位にサウジアラビアのサウジ・プロフェッショナルリーグが位置づけられている。もっとも、この数値はIFFHSがどのような計算方法でランキングを作成したのか公表されていないため、あくまで参考資料にすぎないのだが、国内リーグのレベルで見ると、決して日本はアジアで抜きんでた存在ではないといえる。