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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

私が飲食店でタバコを吸う行為を絶対に許せない理由…命が脅かされる危険

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
「Getty Images」より
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 まだ年若い方ががんで亡くなるという話を、よく耳にするようになりました。そのたびに非常に悲しく、重苦しい気持ちになります。それがその人の運命だと言ってしまえばそれまでのことかもしれませんが、残されたご家族のこと、特にご子息やご息女を亡くされた親御さんのことを思うと、その悲しみやいかばかりかとお察し申し上げます。また、この先、そのようなことがないようにと願うばかりであります。

 がんは、以前は主に高齢者がかかる病気という位置づけでしたが、今では生産年齢人口の中心にいる40代の方々でも死因のトップになっています。厚生労働省の発表によると、40代から80代までの日本人の死因のトップはいずれもがんで、ほかの年代でも2位あるいは3位になっています。特に気になるのは、10代前半の死因の2位も、やはりがんという点です。

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 タバコががんの最大の原因ということも多くの人の知るところとなり、喫煙者の数もかなり減ってきたようですが、それでも地方ではまだタバコを吸っている人の数も多く、時には飲食店などで喫煙者と出くわすこともあります。そういう時、筆者は無言で鋭く睨みつけたりします。私はタバコの煙がいやなんだということを、表現しないではいられないのです。特にアタマにくるのは、寿司屋さんでタバコを吸う人です。これは礼儀以前の問題です。何度か行ったことのある寿司屋さんであっても、タバコを吸う客がいるとすぐに店を出ますし、もう二度とその店には足を踏み入れません。ほかの飲食店でもタバコを吸われるといやですが、寿司屋さんでのタバコは絶対に許せません。

 筆者はタバコを吸う自由を認めないわけではありませんが、他人が飲食をしているその同じ空間で、平気でタバコを吸うというデリカシーのなさが許せないのです。タバコを吸うという自由が認められるのならば、タバコの煙を吸い込みたくない、タバコの煙が付着した食べものを食べるのはいやだと考える自由も認められてしかるべきだと思うのです。

飲食店内での喫煙が当たり前だった1995年

 筆者が1995年にオープンさせた、日本で初めてのオーガニックレストラン「キヨズキッチン」は、その当初から店内は禁煙にしました。店の前には小さなベンチを設えてあり、そこには灰皿も用意しており、どうしてもタバコを吸いたいお客様は外でどうぞ、とご案内しています。

 ある日のランチタイムに、サラリーマン風の男性のお客様が2人で来店され、入り口で「店内禁煙」の文字をご覧になり、接客に立った筆者に向かって「禁煙なのか。それじゃあリラックスできないから、ここでは食べない。なんで禁煙なんかにするんだ」と、詰め寄ってこられました。

 筆者は皮肉っぽく「タバコを吸わないとリラックスできないというのも、どうなんですかねぇ」と応戦したところ、「こんな店、二度と来るもんか」と言い残して出ていかれました。

 筆者の考えは、「飲食をしながらタバコを吸うという愚かしい行為をしていられるのは今だけだ。早めにやめなさい」というものです。同時に、自分のお店を選んで来てくださった大事なお客様に、タバコの煙のかかった料理によって不快な思いをさせるわけにはいかない、ということなのです。この時の筆者の言動は、飲食店を経営することは、すなわちお客様の健康を守ることだという気概がもたらしたものだとご理解ください。

 今では「全面禁煙」の飲食店も増えて、むしろそれが当たり前のようになってきましたが、1995年当時は、米シアトルから来た「タバコが吸えないコーヒーショップ」もまだオープンしておらず、喫茶店といえばコーヒーとタバコは付き物みたいに思われていた時代で、店内は煙が充満していました。当然、飲食店でもタバコが吸えるのは普通のことだったのです。

 タバコの害が明確になった今、街中や飲食店でタバコを吸う行為は厳に慎むべきだと、筆者は考えます。女性の方の喫煙者も目立ちます。かくいう筆者も、ずいぶん昔のことですが喫煙をしていた時期がありました。今では、そのことを深く後悔し、反省してはおりますが、取り返しはつきません。今、タバコを吸っている方も、数年後には後悔するかもしれません。

食品添加物は避けることが可能

 がんの原因は、もちろんタバコだけではありません。放射線の影響も無視することはできませんし、ウイルスが関与しているがんもあります。環境中の有害化学物質であるトリハロメタンや農薬、日常的に使っている殺虫剤や合成中性洗剤、抗菌剤なども、がんとの関連を疑われています。そして、どうあっても防ぎきれない紫外線のことも気になります。

 しかし逆に、防ごうと思えば防げるものもあります。その筆頭は食品添加物でしょう。食品添加物の安全性については、さまざまな意見があることも承知しているので、読者の皆さまが、どの意見を信頼し、どのような行動をとるかはお任せしますし、とやかく申すつもりはありません。ただ、筆者は、自分の大切な妻や娘や孫たちには、可能な限り食品添加物を摂らなくて済むような食生活をするようにきつく言ってきましたし、余計なお世話だなどと思わないであろう親しい友人には、家族と同じように、食品添加物を避けるよう伝えてきました。そして、この連載を読んでくださっている皆さまにも、そのことをお伝えしたいと思っています。

 食品添加物を大量に使って製品をつくっている企業が、食品添加物の安全性を訴えるのは、むしろ当たり前のことでしょう。要は、そのようなことを信じるのかどうかという問題です。

 現に一部ではありますが、可能な限り食品添加物を使用しないで製品づくりをしようという試みをしている企業もあります。それは、今まで使用していた食品添加物に少なからず危険性が伴っていたことの証左とも受け取れます。それをどう評価するかというのもまた、それぞれの方の自由裁量であり、選択の自由もあると考えています。

 たぶん、まだしばらくの間は、食品添加物の危険性は理解されないでしょう。そして、がんに罹患する人、がんが原因で亡くなる人の数も、増えることはあっても減ることはないと思われます。問題は、どこで気づくかです。食品添加物を使用した食べものは、一見、便利で扱いやすいかもしれません。しかし、その便利さが将来的にどのような結果を招くのか。それは現段階で予見できないのか。筆者は、できると思うのです。もう十分にデータは出そろっています。

 ぜひ一日も早く現実を直視して、食生活を見直していただきたいと、切実に願います。がんが原因でどなたかが亡くなる、しかも年若い方が亡くなるなどという不幸は、繰り返してはならないと、筆者は真剣に考えています。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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