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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

原宿・表参道スイーツ戦争勃発!なぜ世界中から人気店が続々出店?存続は困難?

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役
原宿・表参道スイーツ戦争勃発!なぜ世界中から人気店が続々出店?存続は困難?の画像1カフェ・カイラ表参道店「カイラ・オリジナル・パンケーキ」

 夏休みシーズンに入り、たくさんの若者たちで活気に溢れている東京の原宿と表参道。猛暑のなか、彼らの手にはさまざまなスイーツが握られている。なかには、海外から進出して「日本初上陸」と銘打つ店舗のものも数多くあるが、なぜ日本進出の第一歩に原宿や表参道を選ぶのだろうか。そして、客はなぜ猛暑のなかで何時間も並んでまで食べたくなるのか。

 本連載前回記事では、原宿表参道に多数あるスイーツ店の中で、いくつか有名な店舗に実際に並んで食べてみた結果をレポートした。今回はその結果を踏まえ、なぜ海外スイーツ店が日本進出の第一歩として原宿・表参道を選ぶのか、そしてそれがなぜ成功しているのか、店舗側と顧客側の心理を分析し「ヒットの正体」を推察してみる。

店舗の同時出店戦略

 ブランドマーケティング戦略では、認知、好意度、購入意向、継続購入意向、離反率などを常に頭に入れてブランド成長を考えるのだが、「原宿・表参道スイーツ戦争」でどの店が生き残れるのか。

 まず、原宿と表参道は、渋谷や新宿も近く情報発信力(拡散力)の高い若者の集まる場所であり、日本の流行発信地である。H&M、ZARA、GAPなど世界中の人気SPA(製造小売り:商品開発、製造から販売までを一気通貫で手がける企業)がしのぎを削っているファッション大激戦区となっており、フライング タイガー コペンハーゲン、オーサムストアー、ASOKOなどの人気小物雑貨店がひしめき合っている。

 かくして、竹下通りを筆頭に安くかわいい服を求めてくる学生や、表参道などに密集しているブランド店などでショッピングする若い女性が多く、自分ブランドを求めて日本全国から人が集まる流行発信の聖地となっている。

 スイーツ各店はこうしたエリアに出店することで、話題性と集客を狙う、いわゆる「店舗の同時出店戦略」を採用しているのである。

 また、特に若い女性は自身の食べたものや購入したものなどをInstagramやLINE、Twitterなどに投稿し、友人らとシェアする傾向が強くみられ、情報拡散力は非常に高い。こうした女性の心を巧みに利用して口コミによりヒットへつなげるため、情報発信力の高い若い女性が集まるエリアに出店したという狙いがうかがえる。

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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