がん・糖尿病急増の「本当の原因」とは?水をこまめに飲んで血液サラサラのウソ?
日本人の死因の2位(心筋梗塞)と4位(脳梗塞)が「血栓症」なので、血液をサラサラにするために「水分をこまめに補給するべし」「1日2リットル以上飲むべし」などという指導がなされている。20年くらい前からこうした「水を飲め」という指導がなされているが、この間、心筋梗塞、脳梗塞による患者数と死者数は増加し続けている。
筆者が少年時代、サッカーや草野球をする時、炎天下にもかからず練習途中で水を飲むと、監督から「力が出なくなるので水は飲むな」と一喝されたものだ。筆者はサウナが大好きで週2~3回は東京・両国や錦糸町のサウナ風呂に行くが、みんな滝のような汗をかいているが脳梗塞や心筋梗塞で倒れる人など見たことはない。
血栓症は、血液中のコレステロール、中性脂肪、赤血球、フィブリン(タンパク質)を血小板(血球の一種)が硬めることによってつくられる。よって、水分をたくさん摂って血液中の水分を多くして血液をサラサラにするというのが、「西洋医学」の論理のようだ。
たくさん水分を摂ると、胃腸から血液に吸収され、一時的に血液中の水分は多くなる。しかし、体には「恒常性」があり、1日中、1年中血液中の水分量は一定に保たれている。よって、血液中の水分が多くなると、水分はすぐ腎臓から膀胱を経由して尿として排泄される。
その時、血栓の原因物質のコレステロール、中性脂肪、赤血球、フィブリン等々は、尿と一緒に排泄されるわけではない。コレステロール尿、中性脂肪尿などというのは聞いたことがないし、赤血球やフィブリンが尿として出ていくと、「血尿」「タンパク尿」ということになり、それは「病気」ということになる。
つまり、水分をいくら多く摂っても血液はサラサラにならないし、血栓症は防げないわけだ。冒頭でも述べたように、「水分を多く摂れ」との指導が始まってから約20年間、脳梗塞や心筋梗塞をはじめとする血栓症は、むしろ増え続けている。
体温と病気の関係
では、血栓症の原因は何か?
もちろん1960年以降、日本人の食生活が西洋化し、肉、卵、牛乳、バター、マヨネーズに代表される高脂肪食物の摂取が急増し、高脂(高コレステロール、高中性脂肪)血症の人が増えたことが大きな要因だ。ラードやバターも加熱すると液状になる。逆に水を冷やすと氷になる。食物を冷凍庫に入れると硬くなる。つまり、一応36.5℃前後が平均体温とされている人体の中で、「血液が固まる」ということは、「体の温度」が大いに影響している、ということになる。