スーツ業界では、主に「SS」(spring/summer)と呼ばれる春夏物と、「AW」(autumn/winter)と呼ばれる秋冬物、そしてオールシーズンタイプの3つのラインナップが基本となっている。
コストパフォーマンスを考えると「オールシーズンのスーツだけ持っていればいいのでは?」と思いがちだが、デメリットもある。オールシーズンタイプは冬用スーツよりも寒く夏用スーツよりも暑いという、いわば中途半端な性能ともいえるわけだ。
また、近年のスーツは耐久性に優れているとはいえ、オールシーズンタイプを1年中着用していればヨレてくることは必至だ。つまり、春夏、秋冬とシーズンごとにスーツを替え、清潔感とトレンドを漂わせるのがデキるビジネスパーソンであり、結果的にコスパも良い。
そこで今回は、秋冬にかけて過ごしやすく快適なスーツを「ツープライスショップ」と呼ばれるチェーン店から3つ選んでみた。ツープライススーツショップとは、基本的に1万9000円と2万8000円の2つの価格帯でスーツが選べる販売店のこと。近年、その価格帯は多様になってきているが、便宜的に「ツープライス」と呼ばれ続けている。どちらかといえば、若者向けのタイトでスタイリッシュなラインナップが特徴だが、昨今はタイトめなシルエットが流行しているため、あらゆる年代にフィットするスーツが揃っている。
今回紹介するのは、コナカがスタートさせた「SUIT SELECT(スーツセレクト)」。2001年に「スーツセレクト21」としてスタートし、07年にはトータルプロデューサーとしてクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏を迎え入れ、「スーツセレクト」に刷新された。全体的に細身のスーツが多く、トラディショナルに寄ったラインナップが特徴だ。そんなスーツセレクトでコスパが良いスーツ3選を紹介する(価格はウェブ税別価格、以下同)。
【KSW】2釦シングルスーツ 0タック/ネイビー×ストライプ/ウォッシャブルパンツ 1万8000円
やや細めのシルエットとショート丈のジャケットが特徴の「KWS MODEL」は、スリムなスーツの入門用にちょうどいい。体に沿った小さなアームホール&細身のスリーブ、さらに絞りの効いたウエストラインで、着心地以上にスリムに見える効果がある。
また、直線的なフロントラインとゆるやかなスラントポケット(ジャケットの腰部分のポケット)でスタイリッシュさを醸し出す。さらに、高めのゴージライン(ジャケットの上襟と下襟を縫い合わせるライン)も相まって、着る人を若々しく見せるスーツといえる。
洗濯機を利用できるウォッシャブルパンツなので、汚れやにおいが気になってもすぐに洗うことが可能。秋冬は知らず知らずのうちに汗をかいてしまう季節だが、こまめに洗えるパンツは働く男にとってありがたい。