2019年2月末時点で、日本国内に1万4659店舗を構えるローソン。コンビニ業界では3位というポジションだが、「からあげクン」のようなロングセラー商品から、18年に新発売されて以降おにぎりやパン、コーヒーなどへと派生していった「悪魔」シリーズのように新進気鋭の商品まで、幅広いラインナップが魅力だ。
最近だと、19年3月から始まった「新感覚スイーツ」シリーズは「バスチー ‐バスク風チーズケーキ‐」(215円)を筆頭に熱い支持を集めており、このままローソンの新たな柱として成長していきそうな気配がある。
しかしSNSでの口コミなどによれば、ローソンの商品のなかには、食べたら後悔してしまいそうなものも一部紛れ込んでいるようなのだ。そこで今回は、冬の新作を含むローソンの商品を「買うべき・買ってはいけない調査班」が実食し、「買ってはいけない商品」を5つチョイス。次回のショッピングから、さっそく役立てていただきたい。
「マチカフェ コーンスープ」/150円(税込、軽減税率適用。以下同)
こちらの「マチカフェ コーンスープ」は、インスタント商品でよく見かけるような、粉をお湯に溶かして飲むタイプである。味そのものに取り立てて不満はないものの、粉っぽさがどうにも拭えない舌触りで、わずかに入ったコーンの存在感も薄い。
もっとも、寒いときに身体をすぐに温めたいというときにはこれくらい手軽な商品が重宝しそうだが、コンビニではほかにもカップスープや缶入りスープの品揃えが豊富だし、やはりこの商品を強く推せるポイントは見つからないのが正直なところだ。
「だしが香る! ロースかつ丼」/550円
氷温熟成豚肉を使用したロースかつの上に、とろっとした玉子が乗ったかつ丼。「だしが香る!」というネーミングに嘘はなく、玉子は確かにだしが効いていて美味だ。その一方で、肝心のロースかつについてはイマイチだという評価を下さざるを得ない。
これは天ぷらなどの揚げ物全般に当てはまる話だと思うのだが、チルド食品には、その食感や新鮮さを保つのがなかなか難しいという課題があるだろう。この商品の場合、ロースかつが玉子に浸された状態で保存されるため、なおさらべちゃっとした仕上がりに。もっとも、550円という値段相応にお腹いっぱいにはなるため、ロースかつに過度に期待しなければ、さほど損した気分にはならないかもしれない。
「生キャラメルまん」/150円
続いては、キャラメル風味の生地にキャラメルソースが入った「生キャラメルまん」だ。キャラメルソースにはダイス上のアーモンドが入り、バタークリームを包んでいる。このような商品を購入するのはそもそも甘党の人が多そうだが、実際には、その商品名と茶色いビジュアルから想像されるような甘さはほとんど感じられない。生キャラメルという心惹かれるワードに釣られて購入すると、肩透かしを食わされてしまいかねないだろう。
逆にいうと、甘いものが得意でない人でも「甘すぎて最後まで食べられない」なんてことにはならないと思われるのだが、いずれにしても、中途半端というイメージが否めない商品である。今後もし改良するのであれば、もっと激甘な方向に振り切ってほしいところだ。
「諭吉のからあげ監修 鶏から しびれ麻辣4個」/200円
こちらの商品を監修している「諭吉のからあげ」とは、名古屋に本店を構え、大分県中津市の味を届けるというコンセプトのからあげ持ち帰り専門店だ。
花椒を使った麻辣油で味つけしたというこのからあげ。どれだけパンチが効いているのかと思いきや、意外にも辛味は控えめで、むしろ物足りないほどである。からあげとしての味の水準は高いのだが、「しびれ麻辣」の要素がこんなに弱いのであれば、わざわざローソンで買う必要はない商品だといえるだろう。
「GODIVA メルティショコラ」/450円
チョコレートの本場であるベルギーの高級チョコブランドGODIVAと、ローソンのドリンクシリーズである「マチカフェ」がコラボした商品。うっすら表面の泡立ったホットミルクに、GODIVAこだわりのカカオ72%のダークチョコレートバーを溶かして飲むドリンクだ。
専用のカップやチョコレートバーの入れ物にはGODIVAのロゴが施されており、高級感が漂う。そこからGODIVAとローソンの気合いは伝わってくるものの、ドリンク自体の出来については残念ながら空回りしてしまっている印象。というのも、バー状のチョコレートはミルクに溶けにくく、少しでも時間が過ぎると、カップの底で塊になってしまうのだ。1杯450円と値段はそれなりなのに、あまりゆっくり飲むわけにいかないというのはツラい限りである。
今回リサーチを進めるなかでは、商品名やパッケージに踊らされると、いざ口にしたときに「これじゃない」と落胆してしまう食品が目立った。もちろん「百聞は“一食”にしかず」ではあるのだが、すでに不評なレビューがネット上に書き込まれている商品については、店頭で手に取った際、自分の目で冷静に見極めてみるといいだろう。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)