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在宅時間が増え不安定な時に…パラメダリストが教えるメンタルトレーニング

新刊JP
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※画像はイメージ(新刊JPより)。

 コロナ感染に対する不安や働く環境の急激な変化。現代を生きる私たちにとって、かつてない程にもどかしい時間が続いている。

 在宅勤務を始めている人もいるだろう。ただ家で仕事をしていると、仕事時間とプライベートの時間がごっちゃになってしまい、かえって集中できず、疲労もなかなか取れないという事態も起こる。

 画面の向こうではみんな頑張っているのだから、自分も頑張らないといけない。ただ、どこまで頑張ればいいのかもわからない。「頑張らなければいい」と言うのは簡単だが、それが難しい人だっている。

 そのときは『心を休ませるために今日できる5つのこと』(ボニー・セント・ジョン、アレン・P・ヘインズ著、三浦和子翻訳、集英社刊)が役立つかもしれない。

「レジリエンス」とはよく「折れない力」という文脈で使われるが、より正しく表現すれば「元の形状に戻る力」のこと。

 病気や離婚といったライフイベントや、ハリケーンや地震などの災害など、立ち直るのが難しいとされる試練を乗り越えるためのアプローチから語られることが多いが、本書では個々の日々の習慣として「レジリエンス」を捉え直し、毎日を前向きにしていく「マイクロ・レジリエンス」という術を教えてくれる。

 本書の著者であり、1984年冬季パラリンピックのスキー種目でメダルを獲得したボニー・セント・ジョン氏は、生活の質の向上に対して、長期的な課題の克服よりも、むしろ日々の小さな課題をどのようにクリアしていくかということを重視している。

 では、「マイクロ・レジリエンス」ではどんなことをすべきだろうか。本書では下記の5つのフレームワークが紹介されている。

1.脳の使い方を切り替える(リフォーカス)
2.原始的な恐怖をする(リセット)
3.思考のクセを見直す(リフレーム)
4.体をリフレッシュする
5.心を活性化する(リニュー)

 この5つのテクニックを駆使することで、心身の回復のスピードを高めていくのである。

 では、一つ一つ少しずつ見ていこう。

1.脳の使い方を切り替える(リフォーカス)

 1日の中に集中する時間を設ける。カレンダーに自分の集中時間を書いておく。これは会社勤務であれ、在宅勤務であれ同じように効果的だ。

 集中して疲れた脳は、少し体を動かすことで切り替える。「肩まわし」や「首のストレッチ」などもそのスイッチになる。

2.原始的な恐怖をする(リセット)

 ストレスの我慢は、感情のコントロールを手放してしまうことにつながる。深呼吸や、安らぐ香りを嗅ぐ、今抱いている感情に名前をつけるなどして、自分のストレスを客観視したり、リセットできる方法を身につけることで、感情をコントロールするのだ。

3.思考のクセを見直す(リフレーム)

 自分の思考のクセを把握し、客観的に見直す。どんなことでも分解し、事実を抜き出せば対処できるようになる。悲しみや怒りなどのネガティブな一つの感情に苛まれないためにも試してみたい。

4.体をリフレッシュする

 生産性の向上と普段の食生活の向上はかかわりが深い。本書では、身体をフルで動かすための水分補給と血糖値の考え方がつづられている。例えば水分ならば、マイクロ・レジリエンスの視点でどのタイミングで水を飲むべきかを教えてくれるのだ。普段水分をあまり摂らないという人は参考にしてみるといいだろう。

5.心を活性化する(リニュー)

 これを達成するためには、マクロ的な視点を持って、未来のことを考える「目的意識」を持つことが必要だ。ジョン氏は、目的には「人の生命力の通常の能力以上に拡大する神秘的な性質がある」と解き、その性質を応用して未来に目を向けさせるのが、この「リニュー」というレジリエンスの方法なのだ。

 ◇

 本書はさまざまな人のケースを用いながら、マイクロ・レジリエンスを取り入れるべきかがつづられている。

 環境の変化に対して「ピンチはチャンスだ」とポジティブに振る舞う人もいるが、常にポジティブな気持ちであり続けることは難しい。どこかで気落ちし、ネガティブに振る舞うこともある。

 だからこそ、究極の自己管理法ともいえる「マイクロ・レジリエンス」を学び、日々の生活に気を付ける。それがこれから私たちに求められていくことなのかもしれない。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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