暑い夏がやってきました。汗をたくさんかくことで脱水症状を引き起こし熱中症になる危険性が高まるため、まめな水分補給は欠かせなくなります。水分補給するとき、どんなものをどれぐらい飲むか、そしてその温度を考えないと、水分補給どころか脱水症状を引き起こし、思わぬ落とし穴が待っているかもしれないのです。
砂糖入り清涼飲料水は、1.5リットルのペットボトルに60~130グラムの糖分が含まれているという報告があり、飲みすぎに気をつけている方も多いと思います。ご存じのように、喉がカラカラに渇いたときに砂糖入り清涼飲料水を一度に大量に飲むと、血糖値が高くなり、さらに喉が渇きだして飲むということを繰り返してしまい、急性の糖尿病になる危険性が高まります。
では、砂糖を控えたダイエット飲料なら、水分補給にたくさん飲んでもよいのでしょうか。
砂糖の代わりに使われている人工甘味料は、大量に摂ると、日光かぶれ、腸内細菌の代謝異常、そして下痢を起こすこともあるようです。これらの情報も、どこかで耳にしたことがある方も多いと思います。
ビールは水分補給にならない
また、ビールも利尿作用があり水分補給にならないことも周知の事実です。ビール好きな方のなかには、朝から冷たいビールを飲んで休日を楽しんでいる方もいらっしゃるでしょう。キンキンに冷えたビールのさわやかな喉ごしを楽しむために、喉が渇いていてもあえて水などの水分補給をしない方もいるでしょう。
ビール(アルコール)は水と違って胃からも吸収されますので、たくさん飲めてしまいます。また、尿の量を調整するホルモンの働きがアルコールの作用により抑制され、尿の排出量が増えます。ほかにも、ビールはカリウムが豊富なため、その働きにより尿の排出量が増えます。
ある報告によると、ビールを1000ミリリットル(1リットル)飲むと1100ミリリットルの水分が尿として外に出て、100ミリリットルの水分が不足するとのことです。つまり、ビールは水分補給のためと思って飲めば飲むほど、かえって水分不足を起こしてしまうのです。水分不足を起こせば、血栓や動脈硬化の原因をつくる危険性が高まります。
また、尿酸値の高い方にとっては、恐ろしい事態の引き金になることもあります。ビールをたくさん飲んで水分不足になれば、尿酸濃度が高まり結晶化しやすいため、痛風発作を引き起こしかねません。