消費税増税に伴う軽減税率によるテイクアウト需要の高まりを見据え、長時間品質が保たれるようバンズを刷新したり、フードデリバリーサービス「ウーバーイーツ」の導入店舗を拡大したりと、さまざまな取り組みを行ってきたモスバーガー。これが功を奏したのか、近頃は比較的好調な業績を上げている。
同チェーンを展開するモスフードサービスが5月25日に発表した2020年3月期決算によれば、売上高は前年同期比4.1%増となる689億8500万円。営業利益も104.9%増となる10億6000万円を達成し、既存店売上も目標の前年比8%増には及ばなかったものの、4.9%増を記録したという。
外食業界が大打撃を受けていた3、4月も、既存店売上高はプラスだったとのこと。新型コロナウイルス感染拡大によるテイクアウト需要にもしっかりとこたえ、着実に顧客を獲得したようだ。
好成績を残している同チェーンだが、なかには消費者から不満の声が上がってしまうような、残念なメニューも存在している様子。そこで今回は「この夏、買ってはいけないモスバーガーの商品4選」をご紹介する(価格は税別)。
フィッシュバーガー/315円
はじめに挙げたいメニューが、昨年5月公開の「モスバーガー『買ってはいけない商品』5選!大不評で逆に話題、コスパ最悪、温度ぬるい」でもご紹介した「フィッシュバーガー」だ。
バンズに挟まっているのは、白身魚のフライとたっぷりのマヨネーズ、チーズ、オニオン、アメリカンマスタードという、文字を見ただけでも胸焼けしてしまいそうな組み合わせ。オニオン特有の辛みが口内をさっぱりさせてくれるため、若干緩和されてはいるものの……やはり、こってりしすぎていると感じてしまった人も少なくないようだ。
暑さや疲れで胃が弱ってしまいがちな夏には、さらに重たく感じられてしまうことだろう。この季節には、なおさらおすすめできないバーガーである。
モスライスバーガー海老天めんたい味/454円
「モスライスバーガー海老天めんたい味」は7月中旬に販売終了が予定されている期間限定メニュー。めんたい味ソースにつけた2本の海老の天ぷらと焼き海苔、グリーンリーフをライスプレートで挟み込んだという一品だ。
基本的には好評を集めているのだが、一部からは和風の味付けとグリーンリーフがマッチしていないという声も上がっている。また、グリーンリーフは時間がたつとしなしなになってしまうため、テイクアウトには向いていないというマイナスポイントもある。
同時発売された「モスライスバーガーよくばり天めんたい味<海老とかきあげ>」は海鮮かきあげと海老の天ぷら、焼き海苔、めんたい味ソースで構成されており、全体の味のバランスが良いという感想が多い。万人におすすめできるのは、こちらのバーガーだろう。
ご覧の通り、2つのバーガーは商品名がかなり似ている。注文時に間違えてしまうことのないように気をつけてほしい。
まるごと!レモンのジンジャーエール(はっさく果汁0.5%使用)/454円
次にご紹介する「まるごと!レモンのジンジャーエール(はっさく果汁0.5%使用)」も、7月中旬まで販売される予定の期間限定商品。はっさくとレモンを使用したというシロップをジンジャーエールで割り、さらに、くし切りにしたレモンを丸ごと1個投入したというインパクト大なドリンクだ。
レモンをつぶすことによって、好みに合わせて酸味を調節できるという点が大きな売りとなっているのだが……ドリンクカップや付属しているスプーンがやわらかく、非常につぶしづらいのは大きな欠点。また、かなり甘みが強く、すっきり感が足りないという感想も数多く見受けられた。ジンジャーエールの風味を期待して注文すると、後悔してしまうかもしれない。
さらに言えば、Lサイズのカップで提供されるとはいえ、454円という価格はバーガー並み。ドリンクとしては高いと言わざるを得ないし、コストパフォーマンス的にもおすすめできない商品である。
スマートパイ<国産りんごフィリング>/186円
1978年から2012年まで販売されていたアップルパイの商品が、消費者からの要望にこたえて復活。商品名やレシピを見直し、「スマートパイ<国産りんごフィリング>」として新登場した。
紅茶の茶葉を練り込んだという生地は、あっさり感のある仕上がり。とろっとした口当たりの国産りんごフィリングには、角切りりんごのシロップ漬けも加えられているため、りんごならではの食感を楽しむこともできる。
甘みや酸味のバランスもよく、消費者から高い評価を受けている商品ではあるが……問題となるのはコスパだ。マクドナルドで販売されている「ホットアップルパイ」が単品100円ということを考えると、税抜186円という価格設定は強気。お得感を考慮するならば、マクドナルドのホットアップルパイを2つ注文したほうが良いだろう。
――モスバーガーの商品はハイクオリティだが、値段はやや高めなので、商品選びで失敗してしまえば、後悔だけが残ってしまうことだろう。この記事を参考にハズレメニューを回避していただきたい。
(文=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)