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宇多川久美子「薬剤師が教える薬のリスク」

サプリ頼みは愚の骨頂&無意味?「人工的合成品」より食事による栄養摂取

文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

 しかし、やはりサプリメントに依存しすぎるのは「に頼ること」と同じです。栄養は食事から摂るのが基本です。サプリメントは栄養を「補助」するものであることを、もう一度強調しておきます。

人それぞれに適した食べ物は違う

 では、何を食べたら良いのでしょうか。筆者は、万人に合う食べものはないと考えています。食事はとても大切ですが、「何を食べるといい」という考え方は、ある意味で危険です。なぜなら、人それぞれ育った風土が違うからです。

「風土はフード」という言葉がありますが、やはり生まれ育った土地のものが身体に合うようにできているのです。「身土不二」という言葉も同じで、身(からだ)と土(環境)は別物ではありません。人は本来、その土地でとれたものを食べて環境になじんでいきます。人間も自然の一部なのです。

 たとえば「今、アメリカではやっている健康にいい食品だから」といってその食べ物を日本に持ってきて食べたとしても、ある意味ではナンセンスなのではないでしょうか。なぜなら、アメリカ人と日本人ではDNAが違うのですから。

 ちなみに、日本人は昔から野菜や海草類など食物繊維の豊富な食材を食べてきたため、欧米人に比べて腸がとても長いといわれています。

 寒い国に住んでいれば、身体を温める食材を食べます。肉を食べるのは本来、皮下脂肪を貯めて寒さをしのぐのにちょうどいいからなのです。牛の体温は39~42度ととても高いもの。牛の身体の中で溶けている脂肪が人間の体内に入ってくると、体温が低いので溶けずに皮下脂肪として蓄えることができるというわけです。

 南の暑い国に住んでいれば、身体を冷やす食材を食べます。バナナやパイナップルなど南国の果物は本来、身体を冷やすものです。

 その国、その土地に合った食べものというのは昔からの生活の知恵でもあるのです。
(文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士)

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)、『薬剤師は抗がん剤を使わない』(廣済堂出版)など著書多数。最新刊は3月23日出版の『それでも「コレステロール薬」を飲みますか?』(河出書房新社)。

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