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独身アラサー&アラフォー女子は、なぜやたらと「いい人がいない」と言うのか?

文=青柳直弥/ライター
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独身アラサー&アラフォー女子は、なぜやたらと「いい人がいない」と言うのか?の画像1「Thinkstock」より

 女性の社会進出、晩婚化、蔓延する不況感……さまざまな要因が重なって、未婚率が年々高くなっている現代ニッポン。そんななか、国立社会保障・人口問題研究所が9月に公表した「第15回出生動向基本調査」の結果は衝撃的だった。独身の男女のうち、「交際相手がいない」と答えた男性は約70%、女性も約60%といずれも過去最高を更新したのだ。

 しかも、この調査は、まさに恋愛適齢期といっていい「18歳以上35歳未満の独身の男女」を対象としたもの。それにもかかわらず、「交際を望んでいない」と答えた男性が30%以上、女性も25%以上いたという。

 20代を筆頭に「恋愛したくてもできない」のではなく、今や「恋愛自体を望まない」独身の男女が増加しているのである。いったい、なぜ現代人に「恋愛離れ」が進んでいるのか?

忙しい30代男女は恋愛の優先順位が低い

 恋愛離れに関してよく聞くのは、「恋愛に使うお金がない」「恋愛はコスパが悪い」という声だ。しかし、「それらはあくまで一因でしかありません」と語るのは、雑食系恋愛ジャーナリストのおおしまりえ氏である。

「確かに、恋愛も『娯楽』のひとつであり、ほかの娯楽とくらべると『コスパが悪い』という声はよく聞きます。でも、現代人の恋愛離れを招いている最大の要因は、コスパが悪いからではなく、単純に『面倒くさい』という要素のほうが強いと思います。ただし、10~20代の若者層が本当に恋愛していないかというとそこは疑問で、都市部の若い男女は恋愛したがっている印象もあります」(おおしま氏)

 一方、30~40代の恋愛離れは「非常に腑に落ちる」(同)とし、そこには働き方の多様化など社会環境の変化が大きな要因としてあるという。

「まず、女性の社会進出の問題があります。恋愛するには、24時間のなかのどこかで時間を割くしかないわけですが、仕事に割く時間の割合が増えれば増えるほど、恋愛する時間は減っていく。残業時間の多さや、女性がバリバリ働きすぎる環境が、恋愛離れに間接的にかかわっていると思います。

 私のまわりのアラサー、アラフォー女性からも、よく『いい人がいない』『好きになれない』という声を聞きますが、仕事に割いている長い時間は、いわば頭のスイッチが常にオンになっている状態。その仕事モードの状態から、急に女子っぽいスイッチを入れる、恋愛スイッチに切り替えることができず、恋愛に鈍くなってしまっている女性が多いです」(同)

 特に、働くアラサー女性の場合、職場では責任ある仕事を任される立場になっているケースが多い。同世代の独身男性が彼女たちをデートに誘っても、なかなかタイミングが合わず、それが毎回続けば、いずれ連絡もしなくなる。そうやって、ひとつまたひとつと恋愛の芽が摘まれていくというわけだ。

「これは何も女性に限った話ではなく、男性も同じ。現代人は女性も男性も時間がなさすぎるんです。『お金がないから恋愛しない』というより、お金を稼ぐための時間を多く割かなくてはいけないから、恋愛まで手が回らないのが実情でしょう。時間がないから、恋愛の優先順位が下がってしまうのです」(同)

 そんな仕事に追われる日々を過ごしていれば、休日にも雑務が山積するし、たまの休日ぐらいゆっくり寝たいと考えるだろう。異性とデートするどころではないのだ。

現代人にとって恋愛は非効率的すぎる?

 また現代人には、ただでさえ時間がない上に、いくら恋愛したいと思っていてもなかなか理想の相手が見つからないという問題もある。

「都市部に限れば、趣味や食などの分野はニーズにこたえてどんどん細分化しているのに、恋愛市場はユーザーのニーズをまったく満たせていない現状があります。たとえば、まじめな人と出会いたいと思っても出会える場所がない。それこそ、根性論で相手を見つけるしかないのです」(同)

 つまり、現実世界で「ここに行けば、こういう人と出会える」という市場が構築されていないのだ。これでは忙しい現代人にとって効率が悪すぎるといわざるを得ない。

「そうした現状では、恋愛は効率が悪く、同じ娯楽なら趣味のほうが満足度も高いと考える人が増加するのは当然です。逆にいえば、効率が悪いから『恋愛』が切り捨てられる世の中になった、ということでしょう。今、恋愛市場でマッチングサービスが年々増えているのは、効率化を求めれば、結局そこに行き着くからです」(同)

 すでにアメリカの恋愛市場ではマッチングサービスが定着しているが、「今後は、日本でもこれまで以上にネット婚活が主流になっていく」と、おおしま氏。恋愛にまで効率化が求められるとは、なんともせちがらい世の中になったものだ。
(文=青柳直弥/ライター)

青柳直弥/フリーライター

青柳直弥/フリーライター

出張ホスト斡旋、ナンパ代行など、20代前半のほとんどをアンダーグラウンドな世界で過ごしたのちに出版業界入り。現在は、様々なジャンルでフリーライターとして活動中。

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