男の肉体美を創出するものといえば「筋肉」、特に「腹筋」だろう。
美を醸し出す割れた腹筋はもはや芸術といっても過言ではない。これからやってくる季節では、筋肉の鎧をまとった男だけが主役になれる。
しかし、自分の腹を見てみると見事な中年腹。腹筋の「ふ」の字もないという男性にとって、この夏までに腹筋が6つに割れている「シックスパック」を作ることは夢なのだろうか?
実は夢ではない。
2016年のリオ五輪男子柔道の岡田隆コーチが開発したトレーニング、その名も『2週間で腹を割る! 4分鬼筋トレ』(アチーブメント出版刊)は、わずか2週間で腹を割るための1日4分の筋トレメソッドである。
ただし、「鬼」という言葉がついている通り、1日4分とはいえ、かなりの過酷さだ。
覚悟があるならば、この先を読んでほしい。
2週間で腹筋を6つに割るための条件その1…徹底した「超低脂質食」
この「鬼筋トレ」はやることが大きく分けて2つある。1つは食事制限、もう1つは腹筋エクササイズだ。
まず前者の食事制限では、2週間のトレーニング中、超低脂質を心がけようと呼びかけている。
超低脂質の食材の代表例としては、鶏胸肉(皮なし)や鶏ササミ肉といった鶏肉、タラやアジ、マグロなどの魚類が挙げられる。一方、豚バラ肉や牛霜降り肉といった、脂肪分の多い肉はNGだ。
ちなみに、2週間に限っては糖質の調整にも気を配りたい。ジャガイモやニンジンといった根菜類やくだものは、糖質の調整が難しいということから我慢だ。野菜は糖質の少ないキャベツやレタス、ブロッコリーなどの葉物がすすめられている。
これまで、食べ物が幸福の半分以上を占めてきたという人にとって、料理のバリエーションが少なくなることは苦痛だろう。しかし、調理方法は焼く、茹でる、蒸すなどさまざまある。特に蒸し焼きは、「天然のアミノ酸ドリンク」ともいうべき肉汁を外に出さずに肉を熱することができるので、著者も一押ししている。
2週間で腹筋を6つに割るための条件その2…徹底した「インターバルトレーニング」
「鬼筋トレ」の正体は、少しのスペースがあればできるインターバルトレーニングだ。
本書では、一種を20秒行い、10秒休むのを4回繰り返す。それを2セット行い、合計4分という短い時間でかなり負荷の高いトレーニングを行うようすすめている。
そのトレーニングは4種類だが、ここでは一番はじめに行うトレーニングを紹介しよう。
★「クランチ」
あお向けになり、両膝を揃えて股関節と膝をそれぞれ90度曲げ、足を浮かすような状態に。頭は床から少し浮かせて抱える。そして息を吐きながら背中を丸めて上体を起こし、腹筋上部を強く縮める。
このクランチによって、腹部の前面にある上部の腹直筋が鍛えられるので分かりやすく結果が出てくるだろう。
また、最初は体勢が崩れてしまい、うまく腹筋を使えていない感覚を持つかもしれない。それでも正しいフォームを意識して動き続けることが大事だ。20秒でもかなりの負荷を与えることができる。
他にもさまざまなインターバルトレーニングが掲載されているので、ぜひ『4分鬼筋トレ』を参照してほしい。
しかし、1日4分というとても短いトレーニングで、本当に腹筋が鍛えられるのだろうか? 著者は次のように指示を出している。
・集中力と注意力を低下する「ながらトレーニング」は禁止
・とにかく最大限の力を込める。最速を求める
・疲れても動きを止めず、限界まで必ず動かす。すべての筋繊維を疲労させる
「たかが4分」ではない。「きつい4分」が待っている。だが、それくらい自己を追い込まなければ、夏までのシックスパックは夢に終わるということだ。
本の中に差し込まれている著者・岡田氏の言葉は、耳を塞ぎたくなる厳しさがある。しかし、それは大きなモチベーションを生む。この夏こそ、肉体改革に挑もうではないか。
「己の醜さを知れ。それがすべてのはじまりだ」
(割井洋太/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。