メルカリで多数出品されている腹筋ベルトやプロテイン購入はリスクが高い理由

文＝清談社

【この記事のキーワード】#筋トレ, #プロテイン, #メルカリ

　筋トレブームの昨今。YouTubeにはフィットネス動画があふれ、トレーニング用のアプリなども多くあり、自宅でも気軽に筋トレできるようになったこともあるのだろう。自宅での筋トレのためには、さまざまなアイテムをフリマサイトで安価に入手したくなるが、なかには明らかな失敗ケースもある。そこで、メルカリで買わない方がいい自宅ジムアイテムを紹介する。

固定式ダンベル

　筋トレにおいてダンベルは必須アイテムだが、重量を変えられない固定式タイプはおすすめできない。なぜなら、筋肉の成長につれて上げられる重量は日に日に重くなるが、固定式ダンベルはそれに対応ができないからだ。

　重量可変式のダンベルなら、1台購入すれば長期間、さまざまな重量で使用が可能だが、固定式のダンベルだと物足りなくなるたびに買い足していくことになる。当然、可変式ダンベルの方が値段は張るが、長い目で見れば固定式ダンベルよりはるかに安いだろう。

　また、固定式ダンベルは重量を増やそうとすると個数が多くなってしまうので、スペースも取ってしまう。かつ、画像のように丸い形状であれば、床をゴロゴロと転がるなどして収納に困るケースもあるので、注意が必要だ。さらに、騒音や床への損傷も考えると、クロムメッキやアイアンタイプのダンベルもおすすめできない。

フラットベンチ

　自宅トレーニーで“あるある”なのが、「フラットじゃなく、インクラインにすればよかった……」という後悔だ。ベンチがあるとさまざまな筋トレが可能となるが、フラットベンチは角度の調整ができず、実施できるトレーニングが限られるからだ。

　初心者のうちはフラットベンチでも事足りるが、ある程度筋トレを続けているとさまざまなバリエーションのトレーニングを求めるようになり、フラットベンチではその欲求が満たせない。また、トレーニングの種類が限られるとモチベーションも下がるので、少々値段は上がるがインクラインベンチを買うのがおすすめだ。

　フラットベンチのメリットは値段が安いことだけなので、今すぐに最低限のベンチが欲しいという人以外は買わない方がいいだろう。

プッシュアップバー

　通常の腕立て伏せより強い負荷をかけられるプッシュアップバー。これで鍛えられるのは、主に胸筋や上腕三頭筋だ。U字のバーを持ちながら腕立てをすると、普段よりも深い位置まで上体を下ろすことができるため、自重トレの中ではおすすめといわれる。

　しかし、プッシュアップバーの用途は腕立てに限られる。そのため、わざわざ買う必要がないという意見も多いのだ。ダンベルであれば、胸や肩、腹筋、脚などさまざまな部位を鍛えられるが、プッシュアップバーは胸筋と上腕三頭筋のみ。となると、コスパがいいアイテムとはいえないだろう。

　また、中には滑り止めがない商品もあるため、注意が必要だ。滑り止めがないものをフローリングで使うと、滑って打撲や捻挫などのリスクがある。必須アイテムとはいえないが、購入する際は滑り止めの有無や接地面の広さを考慮するといいだろう。

EMS腹筋ベルト

「SIXPAD」を代表とするEMS腹筋ベルトは、現在では多くのメーカーから商品が販売されている。メルカリでも多数出品されており、未使用品や美品が定価よりも安く手に入れられるが、飛びつくのはリスクが大きい。

　そもそもEMS腹筋ベルトの中には、広告でうたわれているような効果が薄い商品もある。2020年3月には、消費者庁がメーカーや通販会社4社に対し、合理的な根拠がないとして景品表示法違反で再発防止を命じる措置命令を出した。この命令を受けたのは、オークローンマーケティング、ディノス・セシール、プライムダイレクト、ヤーマンの4社。「宣伝ほど効果がない」ということでまったくのゼロというわけではないが、同社の商品も出品されているので注意した方がいいだろう。

　また、腹筋ベルトの効果は人によって異なり、当然だが、通常のトレーニングをした方が効果的。いくらラクでも効果も出なかったからすべてが無駄になるため、はじめから筋トレで鍛えた方が賢い。さらに、腹筋ベルトは地肌に直接つけるタイプが多いため、衛生面も気になるところ。どうしても欲しい人は、新品かつSIXPADのような有名メーカーの商品を購入するのがベストだ。

プロテイン

　筋肉に必要な栄養素といえばタンパク質。それを効率的に摂取できるのがプロテインだ。現在は多くの商品が販売され、メルカリなどのフリマサイトでも出品されている。しかし、フリマサイトでプロテインを購入する行為はおすすめできない。そもそも、販売元はフリマサイトでの転売を認めておらず、未開封とはいえ、その安全性には不安があるからだ。

　また、プロテインの出品者は転売目的であることが多い。たとえば、人気が高いブランドの「マイプロテイン」は、しばしば半額以上の割引セールを行っている。出品者は、そこで安く仕入れ、転売の差額で稼いでいるのだ。つまり、フリマサイトで購入するよりも、自分で公式サイトから買った方が得なのだ。

「マイプロテイン」などの海外商品は正規に購入すると、到着まで2週間ほど時間がかかる。それゆえ、比較的すぐに手に入るフリマサイトを利用したくなるが、上記の理由からNG。また、販売元が転売を禁止していることから、出品が取り消しになる可能性もあり、注文がキャンセルになることも珍しくない。時間もお金も無駄になるため、プロテインは公式サイトや公認サイトで購入しよう。

　フリマサイトでは個人と業者の出品が混在しているが、メルカリで見分けるのは難しい。ただ、プロテインのように定価やセール品よりも高く売っている人は怪しいと見た方がいいので、他の商品でも定価を確認してから購入しよう。

　また、商品の発送が「4～7日」などと遅く設定されている場合も要注意。出品者は在庫がなく、注文があってから仕入れている場合があるそうだ。この点も考慮し、メルカリを活用してほしい。

（文＝清談社）