食欲の秋が訪れ、旬の味覚が店頭に並ぶようになった。食べ頃を迎えた食材を目にすると、「どういうふうに調理しよう」と考えるのと同時に、「どんなお酒が合うだろう」と、晩酌に思いを馳せる人も多いのではないだろうか。
お気に入りのお酒と、その味わいを引き立たせるような肴を用意し、秋の夜長に堪能するというのはなんとも味わい深い。出来合いのものでも悪くないが、手作りすれば、より自分好みに仕立てることができる。そんなときに便利な調理器具が揃っていると、凝った料理にもチャレンジできる。
一方、調理器具のアイテム選びに失敗すると、無駄な出費をした上に、キッチンに邪魔なモノが増えるだけになってしまう。そこで今回は「メルカリ」内から独断でセレクトした、この秋に買うと後悔するかもしれない調理器具5選を紹介する(各種情報は調査時点)。
ビールサーバー
秋限定の商品も登場し、ビール愛好家にとってはいい季節だが、家で飲む際にワンランク上の味わいを演出してくれるのが「ビールサーバー」だ。濃厚な泡を自在に操り、単なる缶ビールを飲食店クオリティの“生”へと進化させられるアイテムだが、さすがに寒くなってくると出番が減ってしまうことは否めない。
さまざまな食材があふれるこの季節は、ビールだけでなくいろいろなお酒と合わせたくなる。パーティーなどで集まったときに、このサーバーを持ち出してもビールの減りが鈍いということが増えてしまうだろう。
また、メルカリではビールサーバーは季節を問わず数多く出品されており、相場もほとんど変わらないため、急いで買う必要がない。来年の夏前までは、おすすめできないアイテムだ。
銀杏殻割り器
この季節になると出回る「銀杏」。煎るだけでなく、揚げたり、アヒージョに入れたりと、食べ方が豊富でおつまみとしても悪くない。そこで、必要になってくるのが銀杏の固い殻を割るための道具だが、確かにひとつあればなんなく殻を割ることができる。しかし、最近は剥いた状態の銀杏も手に入るので、わざわざ殻付きを買って手間をかける意味合いが薄い。また、殻を割るのはトンカチなどでも代用できるため、わざわざ専用の器具を買うというのも躊躇してしまう。
さらに、銀杏にジャストサイズで設計されているため、他の殻付きナッツなどを割ろうと思うとなかなか難しく、用途限定なわりには台所の引き出しでかさばるサイズ……。メルカリで安く手に入るとはいえ、よほどの銀杏好き以外は手が出しづらいだろう。
デジタル計量スプーン
酒の肴をつくるときにも各レシピサイトは非常に便利。そこで大事なのは、材料をしっかり計ることだ。そこで、材料をすくうだけで重量を自動で計算してくれる「デジタル式計量スプーン」があると非常に便利に思える。
ただ、使ってみると意外な不便さに気づく。このスプーンで表示される重さはグラム表記だが、レシピに書かれている調味料の量などは「大さじ」「小さじ」で書かれているため、「30グラムって大さじに換算するといくつだっけ?」と、頭の中で計算する手間がかかってしまうのだ。
ましてやほろ酔い状態で料理する際などは、もはやグラムも大さじも気にせずに目分量で行うことがほとんど。せっかくの機能を台無しにしがちだ。この商品は、どちらかというお菓子作りなどのときに活躍するため、お酒好きには必要ないかもしれない。
七輪
さんまやキノコ類など、秋の味覚をイメージしたときに一緒に浮かんでくるのは「七輪」ではないだろうか。素材の味を活かすには、そのまま七輪で炭火焼きにするのが一番。そんな贅沢が家で手軽に楽しめると考えて、メルカリに出品されている七輪をポチりたくなってしまう気持ちはわかる。
確かに、七輪で炭火焼きは最高だが、それを家で行うとなると想像以上に面倒だ。まず、炭を調達しなければならないし、網やトングなどのアイテムも必要。つまり、七輪を手に入れるだけでは炭火焼きを行うことはできない。メルカリでは「本体のみ。網は別売り」というケースも多く、計画的にアイテムを買い集めないといけない。
また、炭の火起こしや管理は意外と面倒だし、焼いた後は内部の灰の処理や網の洗浄など、後片付けが大変という難点も。夜風に当たりながら旬の魚の炭火焼きを相性の良い酒で流し込む……のは悪くないが、その前後にかなりの作業があることを認識した上で購入を検討する必要がありそうだ。
燻製器
お酒好きたちの心をときめかせる言葉、それは「燻製」。秋の夜長にマイ燻製器で思いつく限りの食材をスモークし、深い味わいや薫りを楽しみながらお酒をチビリ……。食材だけでなく、チップにこだわってみたり、火入れの時間を調節したりと奥深い楽しみ方もできるので、まさに趣味といえるアイテムなのだが、メルカリで探すのはちょっと待っていただきたい。
メルカリで「燻製器」と検索すると、アウトドア用から携帯用、さらに本体以外の付属品や燻製にまつわる書籍など、ありとあらゆるアイテムがヒットしてしまい、イメージしている商品が探しにくいのだ。「スモーカー」「燻製マシン」など名称を変えても同じような結果になるので、目ぼしい出品物を見つけるまでに時間がかかってしまうだろう。
また、中古の燻製器は、その使用感に差があり、内部まで写真を撮って掲載している出品者が少ないので程度がわかりにくいのもネック。燻製器そのものはお酒好きであればぜひ手に入れて欲しい商品ではあるが、フリマサイトで探すのはあまり賢明とは言えない。
記事内でも少し触れているが、今回紹介した器具たちは、使用シーンが変われば大活躍してくれるものも多い。買うときは、どんな場面で使うことが多いかをシミュレーションしてから商品を選ぼう。