“マツキヨ”の愛称で親しまれる「マツモトキヨシ」は、医薬品に日用品、化粧品、食品と多彩な商品ラインナップを誇る大手ドラッグストアチェーンだ。グループ全体で47都道府県に1738店舗出店(2020年9月末時点)しており、国外ではタイに31店舗、台湾に13店舗構え、今後はベトナムへの進出を予定しているという。
そんなマツキヨでは1990年代からPB(プライベートブランド)を展開し、現在では「matsukiyo」というブランド名でさまざまな商品が発売されている。そのなかには、世界的なデザイン賞・広告賞を5つも受賞したトイレットペーパーのように絶賛を受けているアイテムがある一方で、ユーザーからの評価が芳しくないアイテムがラインナップされているのもまた事実。
そこで、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」では日用品を中心にmatsukiyo商品をリサーチ。「この冬、買ってはいけないアイテム」を5つピックアップした。調査班が独自に選んだ商品ではあるが、マツキヨでの買い物で損をしないため参考にしてほしい。
しょうが湯 15g×6袋/158円(税抜、以下同)
体が芯から温まるような飲み物が恋しくなる冬。紅茶やコーヒー、ココアといった定番ドリンクだけでなく、風邪予防に効果のあるしょうが湯やかりん湯を楽しむという方も多いだろう。
matsukiyoでもさまざまなホットドリンクが発売されており、「しょうが湯 15g×6袋」もそのひとつ。1袋分の粉末で90mlのしょうが湯が味わえる商品で、国産の生しょうがをまるごとすりおろしたというだけあって、しょうがの香りを存分に堪能できる。
だが、肝心の味はというと、しょうがの風味は感じられるもののそれ以上に甘みが強く、しょうが湯を飲んでいるという実感をあまり抱けないドリンクとなってしまっている。味覚でもガツンとしょうがの風味を楽しみたい方や甘いドリンクが苦手な方は、別のしょうが湯を購入するべきだろう。
通気絆創膏 Mサイズ 30枚/278円
乾燥で手荒れしやすい冬は、手先にひび割れやあかぎれなどの傷ができやすい季節。絆創膏のお世話になる機会が増えるという方も多いのではないだろうか。だが、matsukiyoの絆創膏は当たり外れが激しく、「通気絆創膏 Mサイズ 30枚」も残念ながらおすすめしづらいアイテムとなっている。
まず、「通気絆創膏 Mサイズ 30枚」の利点は粘着剤が肌にフィットすることと、通気性に優れているためムレにくいことにある。つまり、ムレによる痒みなどを心配することなく、傷のできた部分をしっかりと外部刺激から守ることができる絆創膏というわけだ。
ところが、肌にピッタリと貼りつく粘着力の高さが、実は最大の欠点でもある。非常に剥がしづらく、剥がすときに痛みを感じたり、粘着剤が指に残ったりしてしまうのだ。実際に使用して剥がしたみたところ、あまりの粘着力で基材であるウレタン不織布が指にくっついてしまったこともあった。付け剥がしをしやすい絆創膏を使いたい場面では使うべきではないだろう。
トイレブリーチ 500g/168円
例年よりも家の中で過ごす時間が増えるであろうこの冬。これまではあまり意識していなかった場所の汚れが気になるようになったという方も少なくないはず。matsukiyoには多種多様な清掃グッズがラインナップされているが、「トイレブリーチ 500g」はクセが強いため、購入する際に注意が必要だ。
便器の内側の黒ずみやカビを落とすだけでなく、便器やフタ、タンクなどの掃除も可能と、トイレ掃除全般で活用できるこのアイテム。ノズルの先端が曲がっているためフチ裏にも液をかけやすく、こすらなくともしっかりと汚れを落とすことができるのが特徴だ。
そんな使い勝手と性能に優れていてコスパも優秀な商品なのだが、液体のニオイが強すぎるという欠点を抱えているのである。パッケージにも記載されている通りにしっかりと換気をして掃除しても、ニオイがしばらく残るため塩素系のニオイが苦手だという方は別の清掃グッズを選んだほうがいいかもしれない。
ペーパーハンドタオル 82組(164枚)/95円
手洗い後の手拭きに使用してそのまま捨てられるペーパータオルは、今では公共の施設だけでなく家の中で使用したり、外に携帯するグッズとしても使われている。洗面台周りの拭き掃除や雑巾代わりにも活用できる利便性の高さも評価されているポイントだろう。
Matsukiyoの「ペーパーハンドタオル 82組(164枚)」は、柔らかな肌触りが特徴。取り口が広いため中身が取り出しやすく、82組入りで95円とコスパが優秀で、簡素な包装でゴミ出しでもかさばらないと、利点が多いアイテムだ。
しかし、ソフトな使用感を追求したために、力を入れて拭くと破けやすいという欠点も併せ持っている。場合によっては無駄に紙を使ってしまうことになりかねないので、使い方をよく考えたうえで購入してほしい。
アルコール除菌スプレー本体 400ml/278円
アルコール除菌・消毒のためのグッズが必需品となった昨今。一時期のようにどこへ行っても品薄という状況ではなくなったため、自分の使い方やライフスタイルに合わせたグッズ選びを心がけたいところだ。
「アルコール除菌スプレー本体 400ml」はスプレータイプのキッチン用除菌グッズで、まな板や包丁などの調理用具、台ふきん、三角コーナー、シンクなどの除菌、冷蔵庫などの家電や調理台、食卓の拭き掃除などで使える。天然由来の成分なので、食器にかかっても安全で除菌の際にも洗い流す必要がないことが特徴だ。
だが、一部のユーザーからは中身のアルコールの揮発性に問題があると指摘されており、確かに実際に食卓の除菌で使用したところ、拭き跡がテーブルの上にハッキリと残ってしまっていた。また、本体にもスプレーノズルが「閉」の状態でハンドルを押すと、ノズルを切り替えたときに中身が出てしまうという問題点がある。速乾性に優れたアルコール除菌グッズが欲しいのであれば買うべきではないだろう。
今回紹介した5アイテムは、使い方次第では値段以上に活躍してくれるだろうが、特徴を理解せずに買ってしまうと、ほとんど使わないなんてことにもなりかねない。買い物の際は価格だけでなく、どういう用途で使うのかを想像して商品を選ぶことが大事ということだろう。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※情報は2020年12月21日現在のものです。