大切な人にハムなどの畜肉加工品を贈るときに、「おいしい物を贈りたい」と思い、お中元売り場を見て歩きます。
贈り物は、相手のことを想い、食べたときの顔を思い浮かべて贈ります。普段、食べることのないような、おいしい物を贈ることができれば、贈ったほうも幸せを感じるものです。
メーカーや商品名だけで選ぶ方がいますが、おいしいハムを選ぶためには、商品を裏返して四角い枠で囲まれた「一括表示」を確認すべきです。売り場においてあるハムのセットは、箱ごとラップがかけられて、商品を裏返して一括表示を確認することはできません。そこで、売り場の方に中身を確認したい旨を伝えて、ラップをはがして表示の確認をすべきです。
しかし、メーカーによっては、売り場にある見本に一括表示が添付されていないものもあります。そのような、表示が確認できない商品は購入すべきではありません。もしくは、売り場の店員さんに質問して、原材料表示、添加物の確認できる資料を見て購入すべきです。
添加物が気になる方は
ちなみに筆者は、亜硝酸塩無添加のハムを選ぶくらいなら、畜肉加工品を食べるべきではないと考えています。畜肉に亜硝酸塩を使用することで、畜肉製品独特のおいしそうな色になり、風味が生まれるのです。
食品は安全で、かつおいしいことが大切です。五感の中ではじめにおいしさを感じるのは視覚です。おいしそうな色と、おいしくなさそうな色や食べてはいけない色の違いを子供に教えるべきだと思います。畜肉が発色した色は、本当においしそうな色だと筆者は思っています。
亜硝酸塩は、食中毒菌のボツリヌス菌に対しても効果があるといわれているので、畜肉加工品には、欠かせない添加物です。
異種タンパクを使用していないこと
子供の舌は敏感なものです。大人が慣れてしまっている味に微妙に気がつきます。ハム、ソーセージは豚肉、牛肉などの畜肉以外を使用していないものを選ぶべきです。価格だけで選ぶと、増量するために植物性タンパク、大豆タンパク、乳タンパク、卵タンパクなどが使用された商品を買うことになります。つまり安いハムは、肉の重量と同じだけの植物性タンパク、水などを肉の中に打ち込んでつくっているのです。
増量のために、肉に多くの注射針を刺して肉を膨らませます。本来のハムは、原料の肉の重さより、出来上がったハムの重さは軽くなります。原料の減った分、おいしくなると私は思っています。
一括表示に「植物性タンパク、大豆タンパク、乳タンパク、卵タンパク」と記載のある商品は、価格を下げるために増量しています。肉を異種タンパク、水分などで増量しているために、コチニール、カルミン酸等の着色料を使用して薄くなった肉の色を補強しているのです。
焼き豚、ローストビーフ、ウインナー類を選ぶときも、添加物の内容に注意するよりも、植物性タンパク、大豆タンパク、乳タンパク、卵タンパク等の異種タンパクを使用していないものがお勧めです。
(文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表)
HP 「食品工場の工場長の仕事とは」主催
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