国内でマクドナルドに次ぐ人気ハンバーガーチェーン店となっているモスバーガー。1号店を出店した1972年は、まだまだハンバーガーという食べ物が国内で浸透していなかった時代だった。その後、国内のハンバーガー普及に貢献したモスバーガーは、徐々にビッグチェーン店へと成長を遂げていく。
開業から45年以上経った今では、国内で1266店舗(2020年10月末時点)を誇っているが、今年度上半期(2020年4月~9月)の連結決算を見てみると、やはりコロナ禍で苦しい戦いを強いられていたようである。売上高約336億円(前年同期比1.6%減)を記録したものの、純損益を見ると7億円以上の赤字を計上してしまっているのだ。
さて、そんなモスバーガー。基本的にはおいしくおすすめしたい商品が大多数なのだが、中には「買ってはいけない」ような商品も存在するのだ。そこで今回は「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」が選出した「この冬、買ってはいけないモスバーガーのメニュー5選」を紹介していこう(価格は税別)。
とびきり和風ソース/380円
はじめに紹介したいのは、「とびきりハンバーグサンド」シリーズから「とびきり和風ソース」。2008年に誕生した「とびきりハンバーグサンド」シリーズはモスファンから“期待を裏切らないおいしさ”などと信頼を寄せられている人気シリーズなのだが……。
こちらの「とびきり和風ソース」の「買ってはいけない」理由は、国産丸大豆醤油にハーブやスパイスを加えたモスオリジナルの和風ソースが、どうにも期待外れだからである。SNSなどの口コミでは、“とびきり和風ソースと名乗るほどの味ではない”、“名前負けしている”などの声が上がっているのだ。
実食してみたところ、おいしくないわけではないのだが、特徴があまりないという印象で、ソースの味に真新しさや革新性がないとも感じた。“とびきり和風ソース”を名に冠するほど、特に“とびきった”インパクトがないのである。具材がシンプルなぶん、もう少し舌に残るようなソースであることを期待してしまったファンが多かったのだろう。
モスライスバーガー海鮮かきあげ(塩だれ)/315円
次に紹介するのが「モスライスバーガー海鮮かきあげ(塩だれ)」。「モスライスバーガー」シリーズは“主食である米を使って商品化する”というテーマから開発が始まり、1987年に誕生。焼きおにぎりから着想を得たライスプレートを用いた本シリーズは、今もモスの人気商品となっているのはご存じの通り。
そんな人気シリーズに属する「モスライスバーガー海鮮かきあげ(塩だれ)」は、いか、海老、玉ねぎ、人参、枝豆などを入れた海鮮かきあげ(塩だれ)をライスプレートで挟んだ商品になるのだが、どうやら具材がSNSなどで不評を呼んでいるようだ。
実際、試食してみたところ、海鮮かきあげがしんなりしている印象。もしかしたら調理の都合で揚げたてというわけにもいかないのかもしれないが、それにしても少々ガッカリさせられるクオリティであった。
おいしくないわけではないのだが、塩だれの味付けもまた中途半端で微妙なものと言わざるを得ない。やや味付けが薄く、もしくはタレの量が少なく、存在感が少ないことが難点だ。もちろん濃ければいいという話ではないが、もう少しかきあげにしっかりと味を染みこませてくれていたら、メリハリのある味になっていたことだろう。
モスの菜摘(なつみ)フィッシュ/315円
3品目は「モスの菜摘(なつみ)」シリーズの「モスの菜摘 フィッシュ」を挙げたい。バンズの代わりにたくさんのレタスで具材を挟み、低カロリー&低糖質を実現したヘルシーメニューだ。端的に言うと、フィッシュバーガーの具材をレタスで挟んだものが「モスの菜摘 フィッシュ」である。
SNSなどでは“マヨネーズの存在感が強い”という意見があった。実際に食べてみると、その意見にも納得できる。それは“フィッシュに対するマヨネーズ”というよりも、レタスとマヨネーズがマッチングしすぎてしまっていることが原因かもしれない。
つまり、サラダ感が強くなってしまったがゆえに、マヨネーズの存在をより強く感じてしまうようになったのではないか、ということだ。フィッシュバーガーではバンズの存在によって具材全体のバランスが取れていたものが、それがレタスに取って代わるだけで、印象がまた変わってくる。本品の悪い意味での“サラダ”感は確かに否めない。
100%オレンジジュース/269円(Mサイズ)
次は、ドリンクメニューの「100%オレンジジュース」。どこにでもあるような普通のオレンジジュースでは? と思う方もいるかもしれない。しかし、SNSなどネット上での感想では“(本品を飲んで)柑橘系ジュースが苦手になった”という極端な意見も……。
実際に飲んでみると、確かに味はやや濃い。そして“100%”なだけあってオレンジの生々しい風味が漂うと言えば漂う。その柑橘の剥きだしの生々しさは、ファミレスなどのドリンクバーで出てくるようなオレンジジュースのイメージとは乖離があるかもしれない。
ある意味では大人のオレンジジュースと言えるので、好きな方は好きなはず。しかし、コンビニに行けば150円ほどで500mlのオレンジジュースが買えるのに対し、本品は269円もの値がするので、コスパの悪さも気になってしまうのである。
まぜるドリンク バナナオレ/334円(Mサイズ)
最後に、2020年11月に新発売し、2021年2月上旬までの限定販売となっている「まぜるドリンク バナナオレ」を紹介しよう。本品は、フィリピン産のバナナをピューレ(擦り下ろして半液体状にしたもの)にして、ヨーグルトを合わせたソースに牛乳を注いだバナナオレだ。
よく混ぜ合わせることでバナナの風味が全体に広がって、すっきりとした後味を楽しめるとのことだが、その点で“ドリンクを混ぜづらい”という不満の声が上がっているのである。
実際に試してみたが、確かにストローではいまいち混ぜづらい。混ぜ切らずにピューレの部分を飲むと味が濃いか、もしくはただの牛乳部分を飲むことになる。パッと見の色味は二層になっていてきれいなのだが、もう少し混ぜやすい工夫が凝らされていてもよかったかもしれない。
――改めてお伝えしておきたいのは、基本的にモスの商品はおいしく満足度の高いものばかりである。また、「この冬、買ってはいけないモスバーガーのメニュー5選」はあくまで個人の好みと見解というのが前提だ。参考までに、この記事を読んでいただけたら幸いだ。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※情報は2020年12月10日現在のものです。