2021年2月末時点で日本国内に1万6646店舗を構え、コンビニエンスストアチェーン国内第2位の店舗数を誇るファミリーマート。さまざまな業界に影を落とす新型コロナウイルス感染症の悪影響はファミマにも及んでおり、既存店の日商は前年同月との比較で減少傾向にある。
株式会社ファミリーマート発表の月次営業報告によれば、1都3県などが緊急事態宣言下にあった2021年2月の既存店日商は前年同月比で93.6%、全店の売上高は91.6%とそれぞれ減少。客単価は108.2%と増加しているものの、客数は86.5%と大きく数字を落としている。だが、2月後半からは客足が増加し、売り上げも回復し始めたようなので、今後どのような手を打ち、売り上げを取り戻していくのか注目したいところだ。
コロナ禍の苦境に負けじと、ファミマでは続々と新商品が登場している。最近では3月2日に登場した新たなホットスナック「クリスピーチキン」シリーズが、有名俳優を起用したテレビCMなどで大々的に宣伝した効果もあって、全国的に品薄となるほどの人気を集めている。
しかしながら、なかには商品開発の熱意こそ感じられるものの、消費者のニーズと嚙み合っていないような、ガッカリ商品もラインナップされてしまっている。そこで「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は数あるファミマ商品を独自にリサーチし、「この春、買ってはいけないファミリーマート食品」を4つセレクトした。
7種野菜が摂れる豚汁/398円(税込、以下略)
「7種野菜が摂れる豚汁」は、たびたびリニューアルされているファミマの定番商品。玉ねぎ、人参、大根、ごぼう、白菜、水菜、白ねぎの7種類の野菜に加え、こんにゃく、油揚げ、豆腐、豚肉が食材に使われている具だくさんな豚汁なのだが、ネット上では不満の声も寄せられている。
問題点としてよく挙げられているのは、食材のクオリティについて。各具材のボリュームは統一されておらずまちまちで、今回購入した商品がたまたまそうだっただけかもしれないが、特に水菜は切れ端が少し入っている程度と、かなり少なかった。メインである豚肉の量も少なく、さらにチルド豚肉特有のニオイが若干悪目立ちしてしまっているなど、満足度は低い。
汁には米と豆、麦の3種の食材の合わせみそと、熟成甘みそが使われているのだが、かなりしっかりと味つけされているため、薄味が好みの人には不向き。逆に濃い味が好みの人は、一度購入してみるのもアリだろう。
焼き目がパリパリ!羽根つき餃子/189円
食卓を賑わすおかずとしても、酒の肴にピッタリなおつまみとしても人気の餃子。ファミマでも出来合いのものから冷凍食品まで販売されているが、「焼き目がパリパリ!羽根つき餃子」はコスパの面でオススメしづらい餃子だ。
この商品はフライパンで焼き上げるタイプの冷凍餃子で、油や水を使用せず手軽に調理できることがセールスポイント。だが、実際に調理してみると、冷凍食品特有のニオイが鼻につき、味自体も平凡で特筆するべき魅力が感じられないのが正直なところ。
冷凍食品の餃子は大手飲食チェーンの商品など、低価格と高品質を両立させたものが数多く発売されている。そのなかでは「焼き目がパリパリ!羽根つき餃子」は残念ながら、没個性的で埋もれてしまっていると言わざるを得ないだろう。
サクじゅわ竜田揚げ/265円
続いて紹介する「サクじゅわ竜田揚げ」も、先の「焼き目がパリパリ!羽根つき餃子」と同じく、クオリティにやや難ありな冷凍食品となっている。
最大の特徴は、冷凍された状態で容器に移し、電子レンジで加熱するだけで食べられるというお手軽さ。パサパサ感がないプリッとした肉は美味なのだが、衣の食感はお世辞にもサクサクしているとはいえず、しょうがの風味が効いた味つけも決して不味いわけではないのだが、パンチに欠けていてぼんやりとした印象が否めない。
こちらも突出して悪いポイントがあって勧められないわけではなく、ほかに品質に優れた競合商品が多くあるなかでは魅力に乏しい商品といえる。わざわざ購入する理由は薄いだろう。
春の彩りいちごパフェ/320円
春のコンビニ商品で外せないのが、旬の果物を使ったスイーツ。ファミマでも、すでに数々の春スイーツが並んでいるが、そのなかでも「春の彩りいちごパフェ」は残念ながらオススメしがたい商品となっている。
苺のミルクプリン、ミルクムース、抹茶スポンジの3層構造となっていて、その上にはたっぷりのホイップクリープに抹茶ガトーショコラ、苺がトッピングされている、一見すると非常に豪華なつくりのこのパフェ。しかし、苺ミルクプリンは、プリンというより“薄味のゼリー”のような仕上がりで、ミルクムースも薄味でイマイチパッとしない。
全体的に薄味で、十分な満足感を得られるのは抹茶ガトーショコラのみ。見た目の華やかさに対して、かなり“見掛け倒し”な印象を抱く。320円とコンビニスイーツとしては高めな価格設定も相まって、甘党な人ほど期待すると肩透かしを食らう一品といえる。
ここまで、この春に買ってはいけないファミマ商品を紹介してきたが、上記4品はコンビニ食品や同ジャンルの食品のクオリティが向上しているなかでは見劣りする、期待外れに感じられる商品ではあるが、どれも美味しいと感じられるポイントがひとつもないような商品ではない。あくまで買い物で損をしないための参考にしていただければ幸いだ。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※情報は2021年3月18日現在のものです。