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小谷寿美子「薬に殺されないために」

「プロテインは人体に危険」は本当なのか? 薬剤師が解説

文=小谷寿美子/薬剤師
「プロテインは人体に危険」は本当なのか? 薬剤師が解説 の画像1「Thinkstock」より

 健康志向の高まりを受け、ジムに通う人が増えており、ジムでは多くの種類のプロテインが販売され、トレーニングに励む人々がそれを飲む光景が見られる。その一方、プロテインの摂取について、腎臓に過大な負担をかけ健康を害する危険があるため摂取は避けるべきとの指摘もある。そこで今回は、薬剤師の小谷寿美子氏に解説してもらいました。

プロテインは必要なのでしょうか?

 健康志向の高まりによりジムに通う人が増えています。私もその時代の流れにのってジムで筋トレをしています。そこで勧められるのがプロテインを飲むことです。私が通っているジムでもプロテインを飲むことが推奨されています。もちろん食事指導も受けます。通常の食事ではとれない量は、プロテインを飲めば手軽に補給することができます。ミシガン大学のウーリー博士が運動選手、トレーニングを行う人、菜食主義者などタンパク質が必要な人にはサプリメントが実用的な選択肢であると指摘しています。

 厚生労働省が発表している食事摂取基準によると、タンパク質の推奨量(RDA)は一日0.9g/ kg(注:体重1kg当たりに摂取すべき量)といわれています。つまり、体重50kgの方は一日45gのタンパク質をとることが奨められているという意味です。0.9gだと忘れやすいのでざっくり1g/ kgと覚えておきます。これはトレーニングをするかしないかに関係なく、ただ生きているだけで必要なタンパク質の量です。

『Nutrition Reviews』<1996 Apr;54(4 Pt 2):169-75>によると、定期的に運動をしている人はタンパク質が必要だといわれています。その推奨量は運動をしない人の1.5倍から2倍に相当する量でなければならないとされています。つまり、1.5 g/ kgから2 g/ kgのタンパク質を一日でとる必要があるのです。食事で足りない場合は、プロテインで補うのが現実的な方法だということです。

腎臓が悪くなる?

 筋トレをして筋肉を破壊すると、筋肉をつくるタンパク質が壊れます。壊れたタンパク質は役に立たないのでアミノ酸まで分解されます。その上で、使えるパーツは残してタンパク質に再構築していくのですが、使えないパーツは処分されます。

小谷寿美子/薬剤師、NRサプリメントアドバイザー

小谷寿美子/薬剤師、NRサプリメントアドバイザー

薬剤師。NRサプリメントアドバイザー。薬局界のセカンドオピニオン。明治薬科大学を505人いる学生のなか5位で卒業。薬剤師国家試験を240点中224点という高得点で合格した。
市販薬も調剤も取り扱う、地域密着型の薬局チェーンに入社。社歴は10年以上。
入社1年目にして、市販薬販売コンクールで1位。管理薬剤師として配属された店舗では半年で売り上げを2倍に上げた実績がある。

市販薬、調剤のみならずサプリメントにも詳しい。薬やサプリメントの効かない飲み方、あぶない自己判断に日々、心を痛め、正しい薬の飲み方、飲み合わせを啓蒙中。

Twitter:@kotanisumiko

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