無印良品は、今や全世界で1029店舗(2020年8月末時点)を出店する大型小売店だ。運営元の良品計画は「くらしの基本と普遍」の共創をテーマに、ホテル事業の「MUJI HOTEL」、家づくりに携わる「MUJI HOUSE」など多角的な事業への挑戦をしている。
良品計画の発表によると、2020年3~8月の純利益は-169億1700万円と赤字だったが、2020年9月~2021年2月には203億7300万円と黒字に転じたようだ。
そんな好調の無印良品には評判の良い商品が多いのだが、なかにはあまりおすすめできないものもある。そこで今回は、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」がリストアップした、「この夏、買ってはいけない無印良品の商品5選」を紹介していきたい。
晴雨兼用 軽量 折りたたみ傘 50cm・6本骨・グレー/1490円(税込、以下同)
晴れれば陽ざしが強く、雨も多い夏の気まぐれな天候に有効な商品が「晴雨兼用 軽量 折りたたみ傘 50cm・6本骨・グレー」だ。紫外線遮蔽率93%の生地を使用しているため日傘にもなり、畳んだ際の全長は22.5cm、重量は約161gと軽量で持ち運びやすい晴雨兼用タイプの傘である。
一見すると便利そうだが、ネット上ではその小ささが仇になっているとの酷評も散見される。「サイズが小さすぎて、大して降ってなくても濡れる」「小学生が使ってちょうど良い大きさ」「少しの風で裏返る」「持ち手が小さく、取手がすぐ外れる」など、機能性に信頼できない部分もあるようだ。
実際に使用してみると、まずその軽さに驚く。利点でもあるが、それゆえに風雨に弱いのもうなずけるところ。軽量なので毎日持ち歩いても負担が少ないが、強い雨風の日には不安がつきまといそうだ。実用性を考えると、日傘メインで使うのであれば「買い」かもしれない。
アクリル冷水筒 ドアポケットタイプ/冷水専用約1L/690円
続いては、冷蔵庫のドアポケットに入る1Lサイズの「アクリル冷水筒 ドアポケットタイプ/冷水専用約1L」。水出しお茶パック入れが付いていて、ねじ式で取り外しが可能。縦置きと横置きができ、口が大きいため中が洗いやすい仕様となっている。
しかし、ネット上では「フタが固くて開けづらい&閉めづらい&中身を注ぎづらい」「持ち手がないため持ちにくく、中身を入れると片手では持てない」など、実用性が低いと不満の声が続出しているのである。
実際に使おうとしたのだが、使い勝手の問題以前に使い方がややわかりづらかった。添付されている取扱説明書を読めばわかるものの、見た目のシンプルさに反して、やや取り扱いが面倒くさい。「開けづらい」「閉めづらい」「中身を注ぎづらい」といった点は、こうした部分に感じた。また、確かに持ち手がないため、持ちやすいとはいえない。冷蔵庫のポケットにピッタリハマるコンパクトさは利点だが、購入を検討する際はデメリットにも着目したほうがいいだろう。
ロールオンフレグランス くつろぎブレンド 6mL/1290円
良い香りを楽しんで気分転換やリラックスをしたいというときに、「ロールオンフレグランス」シリーズは役立つかもしれない。エッセンシャルオイルのみで香りづけしたシリーズとなっており、なかでも「くつろぎブレンド」はラベンダーやスウィートオレンジ、ゼラニウムなどをブレンドした、やさしく穏やかな香りだという。
「ロールオンフレグランス」シリーズは全般的に高評価が多いのだが、なぜか「くつろぎブレンド」だけはネット上で評価が低い。具体的な意見をピックアップしてみると、「匂いが持続しない」「鼻を近づけないと香ってこず、しかも30分ともたない。もはや鼻の下につけるしかない」といった声があがっている。
使用方法通り、手首や首筋、指先などにつけてみたが、確かに匂いが弱いという印象。もちろん、量を多めにつければ香らないことはないのだが、本品は6mlと容量が少ないため、一度に多めにつけるとすぐにカラになってしまうだろう。そうした実情を考えると、コスパが悪いともいえそうだ。さりげない香り効果を期待するアイテムなのは承知だが、あまりにも“さりげなさすぎる”のである。
シリコーンバススリッパ 約23.0‐26.0cm/990円
次は新商品の「シリコーンバススリッパ 約23.0‐26.0cm」を紹介しよう。足になじみやすく柔軟性があるシリコーン素材を使用しているという。
新商品ながら厳しい意見もすでに寄せられており、「脱着しにくい」「シリコーンなので柔らかいが、靴裏までシリコーンなので歩きにくい」「洗剤のついてるタイルの上だとものすごく滑り、踏ん張るとさらに滑る」といった素材のデメリットについて言及する声が多い。さらに「サイズ分けされてなくて女性には大きい」、反対に「男性にとっては小さい」など、サイズを分けるように求める声も相次いでいる。
実際に履いてみると、伸縮性はあるものの素材が薄いため、脱着のしにくさと裏面の不安定さを実感した。サイズ感も半端で、足が大きすぎて入らない男性や、足が小さすぎてガバガバになってしまう女性が多そうである。
食器用洗剤 約250ml/390円
最後に紹介するのは「食器用洗剤 約250ml」。ヤシの実から採取できるパーム油を洗浄成分に使用し、洗浄に必要な成分のみで構成された植物由来の洗剤は、食器洗いだけでなく野菜や果物洗いにも安心して使えるという。
排水後は微生物によって分解される環境に優しい本品だが、バスやトイレ、キッチンなどの水回りの洗剤シリーズのなかでも、とりわけ低評価が目立っている。具体的には「容器の先が細くて詰まり易く使いづらい」「油の落ちが他社製品に比べてよくない気がする」と、実用性に疑問符を投げかける声がみられる。
実際に食器を洗ってみると、効果は“可もなく不可もなく”といった感じで、匂いやその他の点でも一般的な洗剤と比べて差異は感じられなかった。環境面に良い点、微生物によって分解されて野菜洗いにも安心して使えるといった利点はわかるのだが、コスパとしては微妙だと感じる方もいるかもしれない。
「この夏、買ってはいけない無印良品の商品5選」はいかがだっただろうか。高品質な商品を多く展開する無印良品はファンが多いからこそ、こういった不満の声も出てきやすいのかもしれない。今回紹介した商品の購入を検討されている方は、当記事の内容を参考に熟慮していただければ幸いである。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※情報は2021年7月1日現在のものです。