人気ビデオ女優が浅草ロック座のストリップショーに出演する理由…人間の美しさに衝撃
みなさんはストリップ劇場に行ったことがあるだろうか?
ちょっと怖いイメージがあって、足を運んだことがない人もいるだろうし、若い人のなかには「ストリップ劇場って何?」と、そもそもその存在を知らない人もいるかもしれない。
ストリップ劇場は年々数を減らし、現在では全国に20店舗ほどしかなくなってしまったという。ストリップ劇場はもちろん「女性の体を見る」場所ではあるのだけど、それだけではなく高い芸術性がある。
日本のストリップ劇場のなかでも、もっとも古い歴史を持つ「浅草ロック座」でストリップを拝見させていただいたのだが、踊り子さんのダンスのレベルはとても高く、照明や音響効果もすばらしく、一流のエンターテイメントだと感じた。昔からのストリップファンもたくさんお越しになっていたが、若いカップルや女性のお客さんも目立つ。彼女たちは、純粋に素晴らしいショーを見に来ているのだ。
浅草ロック座は人気のビデオ女優が舞台に立つことでも知られている。現在は女優引退を表明したあやみ旬果さんが最初で最後のストリップ出演(2月21日~3月13日)をすると発表され、にわかに脚光を浴びている。
連載第1回は、そんな浅草ロック座で出番を待つ、南まゆさんにお話を聞いた。南さんもビデオ女優業と並行して、踊り子を続けている。
ビデオ女優への扉
「小さい頃はめちゃくちゃ恥ずかしがりやでした。学校で手を挙げることもできないくらいで」
シャイな子ども時代だったが、小学校6年生~中学生になる頃から芸能界に興味を持ち始めた。
「女優に憧れてました。専門学校に行ってファッション・ビジネスを勉強しながら、芸能コースも少しかじったんです。でも、自信がないので母以外には相談はしませんでしたね。母は『やりたいことがあるなら、がんばって』と言ってくれました」
卒業後、アパレルの会社に就職して、しばらく販売の仕事をした。スカウトされて芸能事務所にも入ってみたのだが、なかなか上手くいかなかった。
「女子しかいない会社でキラキラしていて楽しかったんですけど、自分の中では芸能をやりたかったので少しモヤモヤしてしまったんだと思います」
今後どうしていこうかと思っていた時に、渋谷駅で新たにスカウトされた。その男性は、チャラチャラした感じではなく真剣なトーンで「一度話だけでも聞きに来てください」と言う。
「この人は本気で言ってくれているのかもしれないと思って、事務所に行きました。話を聞くと成人向けの仕事だとわかって、ビックリしました」